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健 康 情 報

食物繊維

最近のダイエットブームで、注目を浴びている素材が寒天。実はその寒天の成分の80%以上をしめているのが食物繊維です。

●食物繊維とは?

食物繊維とは、栄養学的に言えば「人間の消化酵素では分解されずに小腸を通過して、そのままの形で大腸に達する食品の多糖類やその他の成分」となります。昔はこの食物繊維はその働きから、栄養にならないものとして低い評価を受けてきました。しかし最近では「第6の栄養素」とも言われ、腸内細菌が食物繊維を消化・分解し代謝物として有害物質発生抑制、整腸作用などを示す短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸など)を産生する事も新たにも分かり見直されています。

●食物繊推の種類は?

種類働き・特徴配合食品例
水溶性食物繊維
(水に溶けるもの)
ヌルヌル・ネバネバ、吸着力が高くいろいろなものをくっつける働きが特徴こんにゃく、ワカメ・ヒジキ等の海藻類、リンゴなどに含まれているペクチン
不溶性食物繊維
(水に溶けないもの)
糸状に長い筋で、大腸内で水分を吸収・保水して、便のかさをます働きが特徴。サツマイモ、ゴボウ等の野菜類、かんぴょう、大豆などの豆類など

●食物繊維の働きは?

○肥満を防ぐ:食物繊維は保水性があるため、食物の胃内の滞留時間を延ばし腹持ちをよくします。また食物繊維は比較的硬いものが多いことから咀嚼回数の増加にもつながり、少量でも満腹感が得られる事から食べ過ぎ防止、肥満予防に効果があります。

○排便をスムーズにして便秘を予防:食物繊維は消化されないうえに、スポンジの様に水分を吸収してふくれます。腸では、スポンジ状に膨れた食物繊維が大腸を刺激して排便を促す働きがあります。

○コレステロ一ルや血糖値を抑える:体内のコレステロールやブドウ糖を食物繊維が吸着し、体外の排泄する事でコレステロ一ルや、ブドウ糖の消化・吸収を抑える働きがあります。これにより動脈硬化や糖尿病をはじめ、他の様々な生活習慣病に対しても予防効果があります。

○腸内環境を改善:食物繊維には腸の中の善玉菌を増加させ、有害な作用を起こす悪玉菌を減らすことで腸内環境を改善する働きがあります。腸内環境の改善は、便秘、下痢などの問題を和らげるだけでなく感染症、アレルギーなどの改善にも効果があります。

●皆はどれくらい食物繊維を摂取しているの?

近年私達日本人の食物繊維の摂取量は年々減り続 けています。咋年改訂された健康を保つために必要 なエネルギーや栄養素の摂取量の基準を示した「日 本人の食事摂取基準」でも、三大栄養素やビタミン、 ミネラルなどと並んで新たに食物繊維の摂取基準も 加えられました。その中では年齢により違いはあり ますが、食物繊維の食事摂取基準は70歳未満の成 人では1日の目安量を19~27gと定められていま す。しかしながら実際の平均摂取量は男性で1日 14.7g、女性は14.6gと目安量に比べ最低でも約5g足りないという結果が出ています。
この原因としては野菜の摂取不足、インスタント食品の摂取増加など現代の食生活習慣が指摘されています。

●食物繊維を上手に摂取するには?

◆野菜は加熱料理で:生で食べる野菜よりも、熱を 加えないと食べにくい野菜(ごぼうなど)の方が食 物繊維を多く含んでいます。また加熱した方がカサ を減らす事ができ、多くの量を食べる事ができます。

◆精製度の低い穀類を摂る:普段食べている白米は、 食物繊維の含有量が低いため、それらに「玄米」や 「大麦」を加えることをお勧めします。大麦には、 白米の約10倍の食物繊維が含まれています。

◆果物を上手に利用:果物の食物繊維は、皮の部分 に多く含まれます。食べられない皮は別としてリン ゴ、ナシなどもなるべく皮ごと食べましょう。また、 干し柿などのドライフル一ツにも食物繊維が多く含 まれています。また食事やカロリ一との関係から、 水溶性・不溶性両食物繊維が 入った健康食 品を利用する とよいでしょう。

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