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体は知らないうちに変化している

人間は一般に青年期を過ぎると、体の機能が徐々に衰えはじめるといわれています。最近体力が落ちてきた・・・、お肌のシミやシワが気になりだした・・・など、ふとした時に体の変化に気づくことがありますが、これは身体機能の衰え、つまり老化のはじまりです。このような現象は生理的な変化であり、止めたり元に戻したりすることはできません。しかし、同じ年齢であっても若々しく見える人と老けて見える人がいるように、老化の速度や程度には個人差があり、そのスピードを早めるか緩めるかは私たちの心がけ次第です。

まずは、私たちの身体にどのような変化が起きているのか、見ていきましょう。

●体力の低下
まず第一に実感しやすいのが、体力の低下です。年齢と共に肺活量や筋力が衰えるために、ちょっと動いただけですぐに息切れしたり、スタミナや瞬発カが落ちてきます。
●骨や関節の変化
骨量は中高年になると徐々に減っていきます。そのため、骨がもろくなり骨折しやすくなります。また、関節の動きを助ける軟骨も、年齢と共にすり減っていくため、動きが悪くなったり痛みを生じやすくなります。
●内臓の衰え
生きていくために欠かすことのできない臓器自体の働きも次第に衰えていくことが分かっています。臓器によって老化のスピードは異なります。
●血管の老化
人は血管と共に老いる・・・といわれるように、血管と老化の関りは深いです。年齢を重ねると共に、血管にコレステロ一ルなどの脂質がたまり、動脈硬化を引き起こしたり、これに伴って血管の弾カ性が失われ、血圧が高くなる傾向にあります。
●皮膚や体毛の変化
皮膚の変化は外見的にも目立ちます。皮膚は水分や皮脂の働きで潤いが保たれ、またコラーゲンなどによってハリや艶が保たれていますが、年齢と共にこれらの分泌が減少し、肌の潤い、ハリ、艶が低下することが分かっています。また、新陳代謝も悪くなるため、シミが残りやすくなってしまいます。
髪の毛などの体毛も皮膚の一部です。そのため、皮膚の新陳代謝が衰えて血行不良になると、白髪や抜け毛が増えやすくなります。
●脳・感覚機能の衰え
体が衰えるだけではありません。脳や感覚機能にも変化が生じます。最近物忘れが多くなった・・・などの症状は、脳の神経細胞の数が減ったり変性するためと考えられています。また感覚機能の中でも特に自覚しやすいのは視覚の衰えです。老眼といわれように、ピントを合わせる力が弱くなると共に、水晶体ににごりが生じ、視野がかすむようになります。

なぜ体は衰える?

それでは、なぜこのような変化が起こるのでしょうか。
原因として遺伝的な要因と環境的要因の2つが関っているとされています。遺伝的要因としては、老化に関る遺伝子が存在するという説や、遺伝子にエラーが起こる説など、様々な説がありますが、これは変えることは出来ません。しかし食事や運動、喫煙、睡眠時間といった生活習慣のほか、病気の有無などの環境要因も重要な原因となります。
<豆知識・老化の原因は『腎虚』?>
漢方では、老化の主な原因を腎機能の衰え、「腎虚」にあると考えます。腎の働きが低下すると、足・腰の衰え、性欲減退など多くの老化現象が現れます。こうした「腎虚」を治す方法を「補腎」といいます。

いつまでも若々しく!

私たちが生活習慣を改善したり、病気を予防しようとする心がけこそが、若さを保つ上で何より大切です。自分の健康は誰かが気にかけてくれるものではありません。自分で管理するものです。身の回りのことに気を使うように、身体のことにも気を配って、いつまでも若々しく元気で長生きしましょう。
<若さを保つ秘訣>
●食べ過ぎない
食べ過ぎが寿命を短くすることは、動物実験でも確かめられています。これは人間においても同じです。食べ過ぎは肥満の原因に、肥満は糖尿病や高脂血症、高血圧など様々な病気の原因になります。だからといって栄養不足は逆効果です。栄養素をバランス良く、腹八分目を心がけましょう。
●やっぱり運動
運動の効果は幅広く、筋力の衰えを防いで体力維持に役立つとともに、肥満の解消、動脈硬化の予防などにつながります。日頃から体を動かす努力をしましょう。
●過度ストレスを避ける
日常生活の中にはストレスの原因が数多くあります。人間関係だけでなく、暑さや寒さなどの気温の変化、騒音、外傷などもストレスになります。適度なストレスは人生のスパイスになり、良い結果を産みますが、体調を害するような過度なものは老化を促進します。運動や趣味など、人によって解消法は違うと恩いますが、自分に合ったものを見つけられると良いでしょう。また自分のストレスをコントロールすることは難しいですが、以外に他人のストレスを緩和してあげることは可能です。話を聞いてあげたり、ちょっとした気配りを心がけてみると良いかもしれません。
●抗酸化食品を摂る
鉄がさびたり、油が酸化されるのと同じように、身体も活性酸素の影響で障害され、このことが老化を促進すると考えられています。毎日の食事の中に抗酸化食品を上手に取り入れ、酸化から身を守りましょう。ビタミンE・C・Aやカロチン、お茶に含まれるカテキン、大豆に含まれるイソフラボンなどに酸化を防ぐ効果があります。
●外見を気にしよう
一般に、老化は年齢と共にやってくるものととらえられがちですか、それ以外に運動能力や各種検査の数値など、複数の要因が関係しています。自分がどの程度老化しているかを知るには、これらの複数の要因を統計学的に処理する必要がありますが、もっと簡単に処理する方法があるといいます。その判定の最も単純で正確な指標は実は「見た目」です。見た目は案外若さを反映するものなのです。若さを保つためには、日頃から自分がどのように見えるか、常に意識することも大切です。

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