健康情報 睡眠

このページは栄町ヤマト薬局の8月のDMのページです。

眠りのはたらき

睡眠には大きく分けてノンレム睡眠とレム睡眠という2種類があります。私たちの睡眠はこの2つがセットになって、約90分のサイクルを作っており、一晩に4~5回繰り返して脳が十分な休息をとることが出来ると、だんだんレム睡眠の割合が増えて目が覚めます。レム睡眠の眠りは浅く、明け方によく夢を見るのはこのためです。
こうして、昼間絶え間なく活動して疲れた脳やからだを休めるのが睡眠のはたらきです。
「ノンレム睡眠」・・・「脳の睡眠」とも言われ、からだの筋肉などの緊張は保たれているが、脳はぐっすり休んでいる状態
「レム睡眠」・・・「からだの睡眠」とも言われ、からだは休んでいるが、脳は起きているときと同じように活動している状態

睡眠はそのほか、ホルモンや免疫のはたらきにも関わっています。たとえば、子どもの成長や発達に関わる成長ホルモンが最もたくさん分泌されるのは睡眠中です。このホルモンは細肪の新陳代謝を促し、肌の生まれ変わりも活性化します。「寝る子は育つ」「美人は夜作られる」という言葉にもあるように、睡眠はからだの健康と深い関わりがあるのです。また、最近では脳の記憶との関わりも指摘されています。

睡眠と免疫

病気は眠って治せ!?
風邪をひいて熱を出したときのことを思い出して下さい。いつもより眠気が増したと言うことはありませんでしたか?これは体の免疫反応に関係しています。
ウイルスや病原菌が体内に侵入すると血液中の免疫細胞(リンパ球やマクロファージなど)からサイトカインと呼ばれる物質が分泌されます。このサイトカインはからだの免疫を強める一方、脳の中枢に働いて発熱と共に深いノンレム睡眠を引き起こします。私たちの身体には異常が起きると、深い眠りを誘発してからだを休ませ、免疫系がよく働くような環境を作り出す、といった巧妙な仕組みが備わっているのです。

増加する睡眠障害

誰もが毎朝気持ちよく目覚めたいものです。 しかし、実際は睡眠障害を訴えて病院を訪れる人は年々増えています。健康・体力づくり事業財団が全国の男女3030人を対象に行った調査によると、「睡眠による休養を十分にとれていない」と訴える人が23.1%もいることがわかりました。なかでも、中高年に多い睡眠の悩みは、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒です。これは、年齢とともに、必要とする睡眠時間が減少すること、不眠の原因となるからだの病気が増えることが考えられ、生理的な現象の一つと いえます。一方、寝つきが悪いという悩みは年齢を問わず見られ、仕事や授業の最中に眠くなる昼間の眠気は20代、30代の若い人に多いという結果がでています。
こうした睡眠障害が増えている背景には、夜更かしや深夜勤務などで 生活リズムが不規則になっていること、睡眠を妨げるような精神的ストレスの 増加などが挙げられます。

睡眠障害の例

イビキとがまんできない日中の眠気
~睡眠時無呼吸症候群をごぞんじですか?~

新幹線の運転手が居眠りのため停車駅を通過してしまい、居眠りの原因が睡眠時無呼吸症候群だったという報道をおぼえていらっしゃる方も多いことでしょう。眠っている間に呼吸が一時的に止まることによって眠りが浅くなるため、睡眠不足に陥り、日中に強い眠気が現れるのが睡眠時無呼吸症候群です。殆どが強いいびきを伴います。熟睡感が得られないばかりか集中力の低下、イライラといった症状、高血圧や心筋梗塞といった重大な合併症を引き起こす危険性もあるので注意が必要です。中高年の男性の6割がいびきをかき、そのうちの10人に1人がこの病気の疑いがあるといわれています。睡眠中の出来事なので本人は自覚しにくいことが多く、一緒に寝ている家族が気づく場合も少なくありません。このような症状がある場合には、医療機関を受診してみることが必要でしょう。

健康によい睡眠を

睡眠に関する悩みは人それぞれですが、快適な日常生活を送るために、誰もが質のよい睡眠をとることが望まれます。そこで、悩み別、睡眠の極意を紹介します。

<なかなか寝付けない>
刺激物を避け、寝る前にリラックスタイムを。
軽い読書や音楽を楽しんだり、40℃前後のぬるめのお風呂につかり、 頭を休ませます。カフェインを含んだコーヒーなどは避け、イライラを鎮め、 精神を安定させるカルシウムが豊富に含まれた牛乳がおすすめです。
同じ時刻に毎日起床。
早寝早起き、といわれますが、早起きが早寝につながります。休日の寝坊は2時間以内にとどめ、からだのリズムを乱さないようにします。

<深夜勤務などで生活のリズムが不規則>
サングラスを効果的に活用。
睡眠と覚醒のリズムは太陽光によってリセットされています。夜勤明けに帰宅するとき、途中で朝の太陽を浴びるとからだが目覚めてしまい、眠りにくくなります。帰宅してすぐに眠りたい時にはサングラスをかけて太陽の光を直接目に入れないようにするとよいでしょう。

<熟睡感がない>
遅寝早起きをして床にいる時間を減らす
寝床で長く過ごしても熟睡感には結びつきません。積極的に少し遅く寝て、朝早く起きるようにすると、短時間でも熟睡感が得られます。
軽い運動を行う。
ウオーキングやジョギングなど軽い運動を行うと深く眠れるだけでなく、寝つきも良くなります。寝る3~4時間前に行うと効果的でしょう。


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