夫婦そろってめちゃくちゃ沢山の薬が処方されている。それなのに処方箋を持ってくる度に、気力が衰えて、痴呆が始まっているのではと心配していた。
紳士協定で、こちらから処方箋の患者に何か勧めるわけにはいかないが、陳列している筋力の元になる栄養剤を見て、飲みたいと言うのを拒む理由もない。液体の栄養剤で飲みやすいのだろう、そしてご本人たちも効果を感じているのだろう、ほぼ1年欠かさず飲んでいる。さすが元気の素、衰えのスピードは止まったように見える。こちらがお年寄り扱いすることがなくなった。やはり高齢者は薬より栄養だ。化学薬品を10種類近く飲んで、体にいいわけがない。
親も認める優秀なお子さん。学校に行こうとすると、下痢をするか吐く。前の晩には明日は頑張っていくと言うらしいが朝になると症状が出て結局は行けない。
1週間分漢方薬を作って飲んでもらうと、下痢も吐くこともかなり良くなった。お礼の電話を頂いたが、まだ学校には行けないが、症状が軽減したからそれで終わるらしい。
僕が作った漢方薬は、下痢止めでも吐き気止めでもない。情動をコントロールすることが出来なくなっている所を改善しようとするものだ。ただ親が終わりと結論付けたからそれ以上はタッチできない。お子さんが気の毒だったが、「お大事に」で済まさざるを得なかった。