恐らく幼いころからのアトピー皮膚炎だろうが、「病院の治療を今までして来たけれど一切効かなくなった」と訴えた。ありとあらゆる病院を回ったのはもうずいぶん前で、今は諦めて近所の皮膚科で、抗アレルギー剤とステロイドの塗薬と保湿クリームで凌いでいる・・・でも実際は耐えていると言った方がいいのではないかと言うくらい「老けている」
煎じ薬と塗薬と入浴剤を渡して2週間。笑顔で入ってきた瞬間、効果を確信した。案の定女性は「違ってきました」ととても良い笑顔で教えてくれた。
2週間前は、顔は赤く乾燥し粉を吹き、首は水分を失ってどす黒く、肩や胸は炎症で薄く広範に赤くなっていた。
今日の女性は明らかに僕より年下に見えたが、2週間前は年上と信じて疑わなかった。
病院の治療と僕の漢方薬は明らかに違う。病院のように単に炎症を抑えるのではなく、僕の漢方薬は、ほとんど詰まってしまった毛細血管の復活を目指すものだ。水が行かなくなった干潟に、もう一度川から水を引っ張るようなものだ。だから皮膚が再生する。
僕が患者だったら、是非本質に迫る治療をしてもらいたい。皮膚病に限らずだ。内臓の病気、骨格の病気、心の病気、すべてにそう願う。まさに各自に備えられている自然治癒力を喚起し、自分の力で正常に戻る治療を期待する。70歳を超えても、僕は不遜にもそうありたいと思っている。〇〇止めで治ってしまう若者ならいざ知らず、ある年齢以上は、よほどの自然薬(食品に近いもの)の助け無くして自然治癒力など働かない。
用水路が途絶えて、からからに干上がった畑にもう一度水を流す。僕はそんなことに挑戦させていただいている。未熟なりに長年漢方薬を使わせてもらった挙句、行き着いた結論だ。