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2026年09月の症例

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かぶれ 70代 女性 岡山県 2026-09-01

隣の町からやってこられた女性。僕より少しだけ年上の方。平静を装いながらも痒さで手は始終動いていた。顔面はもちろん、首に両腕。赤い湿疹が至る所に出ていた。触ればきっと熱いと思う。
ある方に紹介されてきたという女性は当然初対面。今朝近所の人に打ち明けたらこちらを紹介されたというが「蕁麻疹で数日困っています。「かゆくて、かゆくて寝れません」と訴えられたが蕁麻疹には到底見えない。お医者さんにもらっている薬を見せてくれたが、確かに蕁麻疹にも効くが、いわゆる皮膚炎全般に効く薬だ。僕は蕁麻疹の症状を説明して、それに当てはまるかどうか尋ねた。すると全く当てはまらない。そこで「蕁麻疹と言われたけれど、それはお医者さんが言ったの?それともあなたが勝手にそう思いこんだだけ?」と尋ねてみた。するとお医者さんは蕁麻疹とは言われなかったみたいで自分で勝手につけた病名らしい。「お医者さんはそれではどう診断されたの?」と尋ねると「先生は何も言われなかった」と答えた。と言う事は勝手にその方が蕁麻疹と言っているだけで、こちらがうのみにしていては正しい手当てはできない。
「いつから何をきっかけに症状が出たの?」と尋ねたことで僕の中ではすべてが見通せたが、命を預かるお医者さんにとっては、簡単すぎて興味も持たないだろう。
数日しても治らなかったため僕のところに来られたのだが、薬は正しいのに、治りが遅いのにはきっと理由があるはずだ。早く治るためのコツなどを先生が教えてあげていれば、こんなに苦しまなかっただろう。日曜日がきっと長かったに違いない。
僕は漢方薬を作る前に、冷凍庫から刺身を買ったときについていた保冷剤を取り出し、女性に「一番つらいところに当ててみて」と言った。
数分して漢方薬が出来上がり、女性の元に戻ると「かゆみが収まっています」と不思議そうな顔をしていった。
このように皮膚科のプロより、少しばかりおせっかいな似非皮膚科の方が貢献できることもある。長年続けてきた仕事の中で得た経験は、所詮雑学でしかないが、それだからこそ役に立てれることもある。
長年この仕事をしてきて思う事は、人間に本来備わっている自然治癒力のすばらしさ。漢方薬や天然薬(栄養剤)はその治癒力を引き出すもののように思う。古代の人はこうして生きてきたのだから。
人を全全体的に見るのではなく、病変部だけ覗く現代医学とは「何となくしっくりこない」のが、僕の原動力だったのだろう。