相談 漢方 アトピー 栄町ヤマト薬局
栄町ヤマト薬局

 
  
掌蹠膿疱症
 僕が薬を作ってお世話をしているのに色々教えられることは多い。
腰と首にヘルニアを持っている女性を1年くらいお世話している。旅行に行けるほど調子が良くなったので、やっと皮膚病の薬も一緒に飲めると本人が強く希望するので、掌蹠膿疱症の治療も同時進行することにした。掌蹠膿疱症は皮膚科で薬をもらっていたが、あるテレビ番組で奈美悦子という女優が同じ病気で悩み、皮膚病だけでなく身体の痛みで悩んだという話を聞いて、恐ろしくなって早く治したくなったらしい。僕は今まで10人くらいの同じ皮膚病の人を世話してきたが、迂闊にも掌蹠膿疱症で、痛みの病気が出るとは知らなかった。実際その方も胸の骨が痛かったらしい。骨から肉をはがされるような感覚と教えてくれた。今までお世話した掌蹠膿疱症の方にそんな訴えをする人はいなかった。いないと言うより、僕にその答えを誘導できる問診力がなかったのかもしれないが。掌蹠膿疱症の漢方薬を2週間渡した。2週間後に薬が切れる頃電話をしてきた。受話器を取った瞬間から何か良いことが起こったことが想像ついた。そのくらい声がいつもと違って明るかった。あれだけの、例えば時計を見るために顔を上に上げれない、電話がかかっても受話器を取るのに苦労する等の生活の不便、苦痛を抱えていれば明るい声も出ないだろう。打って変わった弾むような声で、身をちぎられるような胸の痛みや腰首の痛みが劇的に改善したことを教えてくれた。薬を飲み始めて4日目に突然楽になったらしい。今までの自分では考えられないくらい立派なウンチが、掌蹠膿疱症の漢方薬を飲みだして出始めたらしい。腸の免疫を整えるためのものが奏功したのかもしれない。痛みの薬は全く使わない。皮膚病が治るための物だ。ところがそれですっかり痛みが取れて、いつもなら郵送する薬を自分で車を運転して取りに来た。勿論手を見ると皮膚病変もずいぶんきれいになっていた。
 田舎の小さな薬局の、たった一つの経験だからこれが普遍的な意味を持っているのかどうかは分からない。それを確かめる手段もない。だけど縁ある「普通の人」が元気になればそれでいい。お嬢さんが京都で開いているお店のちりめんじゃこを土産にくれた。とても美味しかった。美味しい心で頂いたから余計美味しかったのかもしれないが。

クローン病

「クローン病」とは、口から胃腸、肛門に至るまであらゆる消化器官に炎症が起き、潰瘍が出来てしまう病気で、厚生労働省から難病に指定されています。クローン病で死亡するケースは稀ですが、肉類を食べてはいけないなど厳しい食事制限をしなければなりません。最悪の場合、口から一切食事が摂れなくなってしまうこともあるのです。クローン病が発症するメカニズムは明らかではありませんが、遺伝的な素因などに加え、本来体を守るはずの免疫細胞が、肉類などの脂っこい食事を頻繁に摂ることにより暴走。消化器官を攻撃し、潰瘍が出来ると考えられています。食事の欧米化が進むにつれ患者数が急増し、現在は厚生労働省の特定疾患登録患者数が2万人をこえるなど、まれな疾患ではなくなってきました。この病が恐ろしいのは、症状が風邪と似ているところ。しかも、その症状は「微熱」、「腹痛」、「下痢」と軽いため、病院に行かずに治そうとしてしまう人が多いのです。
この病を早期発見する大きな手掛かりは「症状が出続ける期間」。風邪からくる下痢は、2週間以上続くことはまずありません。つまり下痢などの症状が2週間以上続いたなら、クローン病など別の病気を疑った方が良いのです。クローン病は早期に発見出来れば、それだけ食事制限も少なくて済むといいます。だからこそ2週間という段階で病に気づくことが何よりも大切なのです。
クローン病は、はっきりとした原因がわかっていないため、状態の悪い急性期から状態の比較的良い緩解期に入ることはできますが、完治する方法はありません。そのため、多くの患者さんが治療を受けながらも相当な症状を抱えています。クローン病の治療は医師の指示に従って進めていただくことが基本ですが、クマ笹抽出液の下記の作用がクローン病の症状改善に少しでもお役に立てればと思います。
● 抗炎症作用…クローン病は小腸や大腸を中心とした消化管が侵される炎症性疾患で、炎症が進行すると肉芽腫を形成することもあります。症状を抑えるには、炎症を抑える必要があります。 
● 粘膜保護作用…クローン病になると、下痢や炎症による粘膜バリアの破壊が起こり、粘膜からの栄養吸収が悪くなるため、栄養障害が起こります。栄養状態を改善し、潰瘍による損傷を修復するためには粘膜を保護することが大切です。
● 免疫正常化作用…クローン病の患者さんは腸管の免疫に異常が見られ、外来の抗原(食事の成分、病原体等)の侵入とそれに対する免疫系の反応異常により、腸に炎症が起こることが分かってきました。体内に侵入した異物がきちんと処理されるためには、免疫を正常化する必要があります。

 


食物アレルギー
 食べ物によって起こるアレルギーには消化器官で吸収後に出るタイプと、口の中で直接粘膜を刺激する"口腔アレルギー症候群"とがあります。前者はアレルゲン食品を食べ、それが消化され小腸から吸収されたものに対して抗体が働き、症状が出ます。食べてから発症するまで1時間半ほどか、それ以上かかることが通常です。原因になる主な食べ物には小麦、蕎麦、卵、牛乳、米、トウモロコシ、大豆、イカ、エビ、蟹などがあげられます。 一方、“口腔アレルギー症候群”とは、アレルゲン食品が口の粘膜にふれると抗体が働き、すぐ粘膜症状が出ます。いわば口の中での接触性のじんましんで、口からのどにかけての粘膜に違和感、かゆみなどの症状が、食べて15分以内に現れるのが特徴です。この疾患の人はほとんどの場合同時にシラカバ、ハンノキなどの花粉、またしばしば天然ゴム製品にアレルギーを持ちます。原因になる主な食べ物には果物、野菜。とくにモモ、リンゴ、バナナ、キウィ、メロンなどがあります。どちらにも共通で問題となるのが、重症の場合にアナフィラキシーになることです。これは皮膚のかゆみ、湿疹、じんましん、顔などのむくみ、下痢、嘔吐、視野が狭まる、器官が狭まり呼吸が苦しくなる、血圧が下がる、などの症状が出る重篤な病態です。
 体質や環境の影響も考えられるので、家族性も遺伝性もあると一般にいえます。なりやすい、lgE抗体を作りやすい人はいます。アトピーのある人は、食物アレルギーにもなりやすいようです。家族が食物アレルギーと診断されたら、自分もその可能性があると思っていいでしょう。

お鍋
温かいお鍋がおいしい季節です。70歳になると20歳の時の10%まで低下する免疫力。高齢者の主な死因の一つである肺炎は、この免疫力の低下が一つの原因です。さらに高齢者の免疫力を低下させる原因に体温の低下があります。通常、平熱は36.5度ですが、36度を割ってしまう方も多いとか。体温1℃低下で免疫力は40%も低下してしまうのです。若い時には風邪をひいても熱を出し、免疫細胞を活発にしていたカラダも、風邪をひいても熱が出ず、免疫がしっかり働かなくなるのです。そのため、なかなかかぜが治らない、風邪から肺炎に悪化してしまうことが多くなるのです。体温低下と加齢による免疫力の低下は、食事でも補えます。特に今の季節では白菜などの淡黄色野菜が免疫力を上げてくれます。寒い時に風邪が流行りますが、寒い時のお鍋にたくさんの淡黄色野菜が入っているのは、昔からの知恵なのかもしれませんね。

血液

1981年以来、日本人の疾患別の死因の第一位はがんで死因の28.5(31.0)%を占めます。第二位は脳血管疾患で15. 9(13.3)%、第三位は心疾患で15.1(15.5)%となっています(厚生省人口動態統計95、本文カッコ内は2002民間調査)。これだけ見ると、やはりがんが死因の断然トップで、日本人の三人に一人はがんで亡くなることになります。また、がんは不治の病というイメージが強烈ですので、誰しも「がんにだけはなりたくない」と思うのも当然です。しかし、死因第二位の脳血管疾患も第三位の心疾患も実は同じ血管の病気で、脳や心臓の大事な太い「血管が詰まったり、破れたりして起こる疾患」です。


太い血管が詰まったり、破れたりする場所がたまたま脳だったり、心臓だったりすると致命的になるわけです。このように、脳血管疾患と心疾患を「血管が詰まったり、破れたりする疾患」としてまとめて考えると、合計で31.0%となり、がんの28.5%を抜いて日本人の死因第一位に躍り出ます。これをみるとがんはもちろん怖い病気ですが、血管と血液の状態を健康に保つということが、健康で長生きするために欠かせない条件であることがわかります。

 


動脈硬化だけが原因ではない

これらの「血管が詰まったり、破れたりする疾患」を引き起こす原因として挙げられているのが動脈硬化です。動脈硬化は一般的に、生活習慣などによる慢性的な高脂血症などに、喫煙、高血圧、肥満、加齢、遺伝的要因などが加わり起こると考えられています。しかし、死因の実質的な第一位である「血管が詰まったり、破れたりする疾患」を含めた循環器系の疾患は、常に血管の状態と血液の状態の相対的な関係によって起こる状態であり、動脈硬化などの血管の状態だけに注目する診断と治療には多くの問題があります。

そもそも動脈硬化とは血管の老化現象の一つの現れです。私たちの身体は例外なく老化現象から免れることはできません。肌の状態にしても、年齢よりは若く見える肌を持つことは可能であっても、残念ながら中高年になっても二十歳と全く同じ肌を持つことは不可能です。これと同じように血管も年とともに老化して、多かれ少なかれ硬くなり、肌と同じようにいろいろな機能を失っていきます。そして今のところ、これを元にもどす治療法は発見されていません。私たちにできることは、動脈硬化の進行をなるべく遅くするということだけなのです。

 

血液は老化しない!

動脈硬化は老化現象の一部であり、誰でも避けることはできないし治療方法もない。このように聞くと、すでに動脈硬化が進行しつつある中高年にとっては、夢も希望もなくなります。しかし、ここに一つの希望があるのです。それは血液です。血管は基本的に胎児の時に形成され、死ぬまで同じ血管を使い続けますが、血液は常に骨髄で造られ新しい生まれたての血液が全身を巡っているのです。代表的な血液成分である赤血球は約120日で新しいものと入れ替わっています。つまり、血液は老化しない!のです。


マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマの感染を予防する為のワクチンはありません。手洗い、うがいをしっかりして日常生活のなかで注意することが大切です。また肺炎のなかでも特に若い人に多いのが「マイコプラズマ肺炎」です。症状はかぜに良く似ていますが、長く続く頑固なせきが特徴です。2006年から患者数が急増しており、重症化する例も少なくありません。冬本番のこの時期には例年を大きく上回ることが予想されています。マイコプラズマは微生物の一種で大きさは約1マイクロメートル(1000分の1ミリ)と、細菌とウイルスの中間くらいの大きさをしています。肺炎は「肺炎球菌」の感染によるものが多く、かぜが治りきらない人やお年寄りなど、体力が低下している人に多くみられるのに対し、マイコプラズマ肺炎は健康な人にも発症します。子どもや若い年代に多いのですが、お年寄りにも増えつつあり、重症化して入院する人は若い年代の2倍近くになっています。

 


月経前症候群

月経前症候群は、気分の悪さ、刺激に対する過敏性、腹部の張り、乳房の圧痛など、あまりに多くの症状と関連づけられているため、明確な定義や診断が困難になっています。月経前症候群は女性の20〜50%にみられます。妊娠可能年齢にある人の約5%にみられる特に重いタイプの月経前症候群を、月経前不快気分障害といいます。

月経前症候群が起こる原因は、1つには月経周期中にエストロゲンとプロゲステロンの濃度が急激に変動するためと考えられています。また、一部の女性ではプロゲステロンの分解過程が通常と異なり、このために月経前症候群が起きている可能性があります。プロゲステロンが分解されると通常は、気分に対して正反対の作用をする2つの成分が生じます。月経前症候群のある女性は、不安を軽減する成分が少なく、不安を増強する成分が多く生じる傾向があるのではないかと考えられています。

症状と診断
症状の種類や強さは人によって異なり、また同じ人でもそのときどきで異なります。さまざまな身体的、精神的症状が現れることで、一時的に生活に影響が出ることがあります。

症状は月経の数時間から約14日前に始まり、月経が始まると消失します。閉経に近い人では月経中や月経後も症状が続くことがあります。月経前症候群は月経困難症を伴うことが多く、特に10代の女子に多くみられます。

月経前症候群の症状が出ているときには、他の病気の症状も悪化することがあります。たとえば、けいれん性疾患のある人では、発作の回数が普段より多くなることがあります。全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの結合組織疾患がある人では症状が急激に悪化することがあります。呼吸器障害(鼻や気道のアレルギー、うっ血など)や、眼の病気(結膜炎など)が悪化する人もいます。

月経前不快気分障害では、仕事や社会生活、人間関係に影響が出るほど重い症状がみられます。


月経前症候群には漢方薬がよく効きます。

冬と漢方
日本の冬は寒さが厳しく、乾燥しやすいのが特徴です。特に、寒さは体にとって大きなストレスになります。まず、循環器系に影響を与えます。寒いときは体温を上げなくてはならないので、心臓にかかる負担がほかの季節にくらべて大きくなります。また、寒さから体を守るために毛細血管が収縮し、血圧も上昇するようになります。そして、脳血管にも影響し脳卒中などの病気が起きやすくなるのです。
  冬のような寒い季節には、気(エネルギー)は内に集まります。寒さから身を守ることのほかに、もうひとつ重要な目的があります。それは生命力を内に集めて、春や夏に消耗したものを回復し、各機能を修復して、つぎの季節へつなげていく重要な役割があるのです。 漢方の古典「黄帝内経(こうていだいけい)」には、冬は草木が枯れ落ち、穀物は倉(蔵)の中にしまい込まれ、動物は冬籠りするように、すべてが閉塞して陽気(エネルギー)を外に出さない季節なので、冬の3ヵ月のことを閉蔵(へいぞう)と言って、その養生法が次のように述べられています。
「この季節には、気を鎮めてひそやかな気持ちで過ごし、早く寝て朝は日の出るのを待って起き、じかに寒さに当らないように体を温め、過労して汗をかかないようにする。これが冬の季節に調和した養生法であります。もし、養生法に逆らって、精神を動揺させたり、寒さに当ったり、過労して汗をかいたりすると、五行による冬に配当する臓器である腎を傷害したり、春になって手足が冷えて萎えてしまうとされています。」
 とにかく冬は、寒さから体の陽気を守ることが大切です。かといって逆に暖房などで部屋を暖かくし過ぎると、体表部を開き、かえって陽気の発散を強めてしまいます。部屋の温度は少し低めに設定して、皮膚の扉を閉じ、衣服の工夫で体から熱が逃げないようにするのがいいでしょう。
 したがって、このような寒邪(かんじゃ)が病因になってきます。
寒さ(寒邪)は、腎臓・膀胱系に影響を与えます。冷えによって小便が近くなったり、夜間排尿の回数が増えたりするのは自覚できることです。漢方では、腎は冬に属し、骨や腰もみな腎の統括下にあるものと考え、腎の働きが衰えるこの季節には手足、腰、ヒザ、肩などの運動器のトラブルが起こりやすくなってきます。これらに持病のある方は、梅雨ころと同じようにからだに気を配ってください。

高血圧
わが国では成人の3人に1人、じつに3,000万人以上が高血圧に該当しているといいます。血圧はとてもデリケートで、ちょっとしたことがきっかけとなって上がったり下がったりするため、血圧を上げないようにするには日常生活での十分な注意が必要です。特にやっかいなのは、冬の寒さ。気温が低くなると交感神経が緊張して血管収縮を起こし、血圧が上がりやすくなります。冬になると心筋梗塞などの発作を起こして救急車で搬送される患者が多いといいますが、それも寒さから血圧が上がるのが原因です。重大な事態に陥るのを防ぐためにも、冬の高血圧はとくに注意が必要なのです。
高血圧には2種類あります。ひとつは腎臓病など病気のせいで高血圧になる「二次性高血圧」。残るひとつは「本態性高血圧」と呼ばれるものです。「本態性」とは原因がわからないという意味です。原因こそ不明なものの多くは「遺伝」と「生活習慣」がかかわっていることが判明しており、高血圧患者の9割以上はこの「本態性高血圧」です。親から受けついだ素因のほか、食べ過ぎ、飲み過ぎ、塩分摂り過ぎなどの食習慣、運動不足やストレスがからみあって高血圧を発症すると考えられています。「本態性高血圧」の場合は生活習慣を見直すなどして、きっちりとした血圧管理につとめなくてはなりません。
日常生活の中で、血圧を不意に上げてしまう危険性はあちこちに潜んでいます。家の中は場所によって温度差が発生しており、特に玄関や浴室、トイレは居間などに比べ室温が低い場合が多いので、小さなヒーターを置くなど、保温につとめることが大切です。食事に関しては、高血圧患者の場合1日に摂る食塩は6g未満が理想的ですが、外食やコンビニ食品ではあっという間に6gに達してしまいます。例えばかけそば1杯の塩分量は約3.3g。外食する際にはメニューの選択には注意し、麺類の汁やソース類はなるべく残すなどの工夫が必要です。また、寒いと家に閉じこもりがちですが、なるべく体を動かすことを習慣にすることが大切です。これらの対策は、やれば確実に血圧を下げてくれます。
血圧が高くて問題なのは、動脈硬化を引き起こすことです。高血圧が続くと、その圧力に耐えようとして動脈の血管壁が厚くなり、血液の通り道が狭くなってしまいます。するとコレステロールなどの脂質がたまりやすくなり、さらに通り道は狭くなって血圧も上昇。この悪循環を放っておくと動脈硬化はひどくなり、いつしか脳や心臓の病気を引き起こしてしまいます。ここが高血圧の怖いところなのです。現在、日本人の死因の第1位は悪性新生物(がん)ですが、2位の心疾患、3位の脳血管疾患は、いずれも動脈硬化が引き起こす病気です。クマ笹抽出液に含まれる葉緑素には、血液中のコレステロール値を下げる効果があることが確認されています。また、椙山女学園大学教授・並木和子先生の実験で、クマ笹抽出液を1日3回服用した人の血圧を48時間にわたって観察したところ、最高血圧も最低血圧もしだいに下がっていくという結果が出ています。これはクマ笹抽出液の持つ、活性酸素除去作用やマクロファージ活性化、血小板凝集能の正常化などの血液サラサラ作用によるものだと考えられます。

腎臓
腎臓が尿を作る臓器である事は皆さんも良くご存じでしょうが、酵素やホルモンを作り分泌している臓器である事はあまり知られていません。しかも、これらには血圧の調節や赤血球の産生・骨の産生をコントロールする働きがあると言うと、意外に思われる事でしょう。腎臓では、尿をこし取る糸球体のすぐそばに腎動脈の血圧の変動を感知するセンサー細胞があり、ここで血圧をチェックしています。血圧が低いと腎臓の「ろ過」機能が上手く働かないため、腎臓は血圧を必要として「レニン」という昇圧酵素を分泌します。レニンが働くと、全身の細動脈が収縮して血圧が上がります。更に尿細管でのナトリウムの再吸収が促進され、血中ナトリウム量が増えて一緒に水分も増えるので、血液量が多くなる仕組みです。血圧が反対に高すぎると、「カリクレイン」と言う降圧酵素を分泌し、プロスタグランジンという生理活性物質を介して血管を拡張し、血圧を下げる働きがあります。レニンの昇圧効果は強く速効性があるのですが、血圧が上がりすぎるのを抑制するため、カリクレなり更に血圧が上がると言インやプロスタグランジンなどが働いて調整しているのです。また、腎臓は貧血になると造血ホルモンの「エリスロポエチン」を分泌し、骨髄に働きかけて赤血球の産生を促進します。従って、腎機能が落ちてしまうと赤血球の産生が低下して貧血になります。つまり生命力が低下してしまう訳です。また、カルシウムを腸で吸収したり、骨の中に取り込んで骨を丈夫にするなど大切な働きをするビタミンDは造骨ビタミンの一つとして扱われていますが、腎臓はこのビタミンD代謝の最後の活性化を行っています。シイタケなどから摂取したプロビタミンは、日光に当たる事で皮膚でビタミンD2に変換されます。その後腎臓で、効力の強い「ビタミンD3」に活性化されてはじめてビタミンDとして働きます。従って、もし腎機能が低下してビタミンD3が不足すると、骨はカルシウムを取り込む事ができないだけでなく、血中カルシウムも低下するので骨からは大切なカルシウムが溶け出してしまう事になります。このように腎臓は、生命の根元とも言うべき大切な、様々な働きをしています。まさに、中医学で言う「生命の源」としての「腎」がここにあるのです。

花粉症
花粉症の人にはつらい季節が近づいてきましたが、最近は、お腹の調子とアレルギーの関係が注目されてきています。腸には約100兆個、1kgの腸内細菌が住んでいるといわれますが、アレルギーの発症には腸内細菌が関係しており、善玉菌が多い人ほどアレルギーが少ないというのです。善玉菌は悪玉菌の増殖を抑えて腸内の腐敗を防ぎ、腸内環境を整え全身の免疫にも影響を与えています。腸内環境を整える食べ物に、納豆や漬物など 、食べ物を善玉菌で発酵した発酵食品があります。発酵食品を食べてお腹の善玉菌を増やして腸内環境を整えることは、植物をよく育てるために土を耕して土に肥やしを与えて微生物を増やすのに良く似ています。

歯周病
歯を磨き、デンタルフロスを使い、定期的に歯科検診を受けることが、心血管系の健康維持に良いとの研究が報告されています。
 歯茎の疾患など慢性感染症がある場合、動脈硬化のリスクが高いといいます。アメリカでは、心臓発作や脳卒中のリスクが高い患者には、予防戦略として、運動や健康的な食生活、適切な投薬治療に加え、歯周病の治療を取り入れるように忠告しています。口腔内細菌による慢性歯周病が炎症過程を引き起し、炎症過程はコレステロールに富んだアテロームの動脈壁への蓄積を促進するのです。
 口腔内の慢性感染症は、体の他の部分の慢性感染症と同じ反応系にストレスを与えます。ストレス反応として血流中に様々な分子が送られ、これらの分子がプラークを形成すると報告されています。また、心内膜炎などでは、歯周病関連細菌が血中に移行し、心内膜や弁膜に付着するもので、実際、それらの部位で歯周病関連細菌が検出されています。さらに、歯の喪失は心臓疾患に強い関連性があるという研究が最近報告され注目されています。40歳以上のアメリカ成人約4万2000人を調査したところ、歯を1本も失っていない人で心臓疾患があるのは4.7%でしたが、歯が1本もない人は8.5%でした。これからは心臓のために、口腔の健康維持も考えたいものです。

デトックス
私たちの身の回りにはダイオキシン、鉛、ヒ素など様々な毒素が存在し、現代人は好むと好まざるとにかかわらず、これらの毒素を体に取り込み、蓄積しています。また、日本は薬消費大国であり、抗生物質や消炎鎮痛剤などの薬という名の毒物も体内に蓄積し、生涯にわたって私たちの体の免疫系などを傷つけています。私たちはこれまで、入れ過ぎによってつくった病気を、また何かを"入れる"ことで治そうとしてきましたが、病気は増えているのが現実です。入れ過ぎによって起こったトラブルは"入れる"ことではなく、"出す"ことをスタートにすることが大切です。
 パンダが笹を食べるのはよく知られていますが、自然界ではこの他にも多くの動物が笹を食料や薬として利用しています。ニホンジカやカモシカはクマ笹を主食のように食べますし、高原の牧場では放牧された馬や牛がクマ笹を好んでムシャムシャ食べているのを見かけます。犬や猫もお腹の調子が悪い時、笹があれば食べて治そうとします。そして「熊笹」の名前の由来にもなっているクマは、冬眠前にクマ笹を食べることで、冬眠中一度も排便を行わないために腸や血液が老廃物で汚れるのを防いでいます。
クマの冬眠の例だけでなく、クマ笹抽出液が腸の環境によい影響をもたらすことは昔から知られていますが、これはクマ笹のある一つの成分の効果ではなく、いくつもの成分が全体として腸内菌叢に影響を与えているためだと考えられます。東京大学、お茶の水女子大学、桜美林大学などの共同研究により、クマ笹抽出液はさまざまなフェノール成分や有機酸が相乗して、黄色ブドウ球菌、大腸菌、枯草菌、黒カビ、黒コウジカビ、カンジダなどに対して殺菌・制菌作用を示すことが報告されています。
それでは実際にクマ笹の排毒作用とはどのようなものでしょうか。明治大学農学部の長澤弘研究室とのSHN系マウスを使った共同研究で、大変興味深いデータが得られています。長澤教授が開発したSHN系マウスは、生後4?15ヶ月の間にほぼ100%乳がんを発生する性質を持った実験動物です。このマウスはさらに代謝異常を起こす性質も持っており、普通のマウスに比べて体内に毒素が多く蓄積していることが知られています。このSHN系マウスにクマ笹抽出液を2ヶ月間飲ませた群と、水だけを飲ませた群で、排泄される尿の量と尿中に排泄される成分の比較実験を行いました。その結果、水だけを飲ませた群に比べ、クマ笹抽出液を飲ませた群では尿の量、尿から排泄される代謝産物である尿素、タウリン、ベタイン、クレアチンなどの排泄量がともに増加していることがわかりました。つまりクマ笹抽出液には、衰えた代謝機能を正常化して排毒を促す作用があることが明らかになったのです。
毒素を分解する解毒代謝は、主に肝臓で行われます。肝臓の酵素はチトクロムP450と呼ばれる酵素群で、約700種類のバリエーションがあるといわれています。医薬品も人体にとっては異物。体内に溜まり続ければ毒素になりますが、この酵素が排泄しやすい形に変化してくれるのです。このチトクロムP450は、クマ笹抽出液の鉄クロロフィリンと同じ鉄ポルフィリン構造をもっていることで知られています。これらポルフィリン類は、加齢をはじめとするいくつもの要因によって減少してしまい、体内に毒素が蓄積する危険を高めます。そのため、とくに中高年以降のポルフィリンの積極的摂取は、健康を保つ上でたいへん有効と考えられます。

いびき
いびきには、病気などの明らかに原因があるものと、ないものがあります。
 明らかな原因がある場合
 ●扁桃腺肥大  扁桃腺が大きく腫れ上がって気道を狭めている。子供に多い。
 ●鼻中核の変形 鼻の中の骨が変形していて穴が狭く、呼吸を妨げている。
 ●軟口蓋の変形 口蓋垂(こうがいすい、俗にいうのどちんこ)などに変形があり呼吸を妨げている。
 ●睡眠時無呼吸症候群
 原因のない場合
 ●舌根沈下   仰向けに寝た時、舌の付け根が下がって気道を狭める。
 ●顎が小さい  舌が下がりやすく、気道を狭めやすい。
 実は、気道の変形や病気などの原因がない場合、どうしていびきをかいてしまうのかはよくわからないことが多いんです。呼吸を妨げたり、何か病気がある場合は問題ですが、そうでない場合は本人がよく眠れている限り心配ないです。
治療
●扁桃腺肥大  喉をふさぐほど大きければ、摘出手術。そうでなければ薬などを用い、炎症を抑えます。
●鼻中核の変形 ひどい場合は鼻中核湾曲矯正術という手術をします。入院が必要なこともあります。呼吸が楽になれば、いびきも治まることがあります。
●軟口蓋の変形 軟口蓋形成術というレーザーで切る手術がありますが、いびき抑止効果は一時的であることもあります。
●睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に気道が塞がって、何度も呼吸が止まってしまう病気です。やっかいなのは近眼と似ていることです。無呼吸では死にませんが、低酸素状態にさらされることで、動脈硬化が促進される点です。日常生活の中で気がつく症状としては、なんだかわからないけど、目が覚めてしまう。眠りが浅くなる。よく眠れない。睡眠不足で1日中頭が重い、ボーッとする。問題は、本人には自覚できない点です。寝ている時、人間の呼吸は1回5秒ほどです。呼吸しない時間があっても、1時間につき4回程度なら異常なしと判断します。肥っているとなぜ、なりやすいのかと言うと、焼肉でタンを食べると、あれってけっこう脂がのってるでしょう? 舌も肥るんですよ。肥って重くなって下に下がり、気道を圧迫するんです。ですから、軽度ならば、体重を落とすことで症状がなくなることがあるんです。患者さんはほとんどが男性。女性は高齢者になると多くなります。実は女性ホルモンが舌の動きもうまくコントロールしているので、更年期前の女性がこの病気になることはかなり少ないです。漢方薬で筋肉を強くし舌の落ち込みを防ぐといびきが軽減します。

肝臓病
肝臓は大きくて丈夫な臓器です。再生力が非常に高く、半分以下に切り取られても必要な仕事をこなすことができ、大きさがもとに戻ることもできます。困るのは、大事な内臓なのに、「沈黙の臓器」と呼ばれるくらいで、ひどく傷んでいても痛みを感じることがほとんどなく、病気になっても自覚症状症状が出にくいところ。肝炎の原因は、実はごく最近わかってきたところ。気が付かないでウイルスを体内に飼ってる人も少なくないのです。例えば、以下のどれかにあてはまる人は、知らずにC型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。
 ●1980年以前に、往診で注射してもらったことがある
 ●1992年以前に、手術、輸血をうけたことがある
 ●健診で肝機能異状を指摘されたことがあるが再検査を受けていない
 ●長期にわたり血液透析を受けている
 ●タトゥー、刺青を彫っている
 ●ボディピアスをしている
 ●注射器を使うような薬物を濫用したことがある
これらに関係がなくても、 倦怠感、発熱、頭痛など風邪レベルの不調が、本当は肝炎のサインだった、ということもあります。
肝炎の場合、その「症状」にどんなものがあるかというと……
 ●黄疸/白眼や肌が黄色くなる。
 ●血液の異状/血流が悪くなる、痔、貧血、吐血、血小板が減るため血が固まりにくく出血しやすくなるなど。
 ●肝性脳症/睡眠障害、情緒不安定、無気力。「人、場所、時間」の認識ができなくなってくる。最後は昏睡状態に。
 ●ホルモンバランスが狂う/男の人はおっぱいが膨らんでくるなど。
 ●腹水/血管から水がしみ出しお腹に溜まる。ここまでくると重症。
 ●静脈瘤
肝炎のウイルスは人の細胞を乗っ取って増えていくので、乗っ取られた細胞は破壊されてしまいます。また、免疫が働き始めると、乗っ取られた細胞を見つけ次第、ウイルスが増える前に自分で破壊してしまうので、肝機能が一時的に急低下します(急性肝炎)。
肝炎とは、肝臓の細胞がどんどん壊されていく状態なわけです。
ウイルスと免疫が闘いを繰り返し、肝臓が壊され続けるのが、慢性肝炎です。
肝臓の細胞は強い再生力で新しい細胞を作って壊れた場所をつくろいますが、長期にわたる慢性肝炎では、だんだん再生が追い付かなくなることがあります。すると、壊れた部分が、新しい細胞の他にコラーゲンなど線維組織を使って埋められるようになります。この線維組織は肝臓の細胞のように働けるわけではありません。ただの隙間埋めです。これが進行すると、肝臓の表面はデコボコに変形し、実際に働ける部分はどんどん減って肝臓は硬く小さくなっていきます。これを「肝硬変」といいます。肝硬変になった肝臓は、もう元に戻ることはできません。肝臓の機能障害がひどくなってくると同時に、肝臓ガンに進む可能性が高くなります。肝炎ウイルスに感染したたら、すぐに命に危険が及ぶというわけではありません。しかし、肝臓病で命を落とす人の直接の死因は、肝臓ガン・肝硬変が主なもので、これらの病気の8割以上が肝炎ウイルスに起因すると考えられています。
ところで、肝炎には、非ウイルス性とウイルス性の2つがあります。
非ウイルス性は感染はしません。
主な非ウイルス性肝炎
 ●アルコール性肝炎/飲みすぎで肝臓が炎症。重い肝障害がおこる
 ●薬剤性肝炎/体に合わない薬を飲んでアレルギー反応が出る
 ●自己免疫性肝炎/免疫がおかしくなって自分の体を攻撃してしまう(中年以上の女性に多い)
ウイルス性には主に2つの感染経路があります。
1つは主に食べ物や水を介してうつるもの。現在の日本では少なく、外国旅行などでかかることが多い。
 ●A型肝炎 
 食べ物や水などを介してうつる。慢性化やキャリア(肝臓にウイルスはいるが、活動しないので何ら問題がない状態の人)化はしない。一度かかると抗体ができてその後かかることはない。
 予防/ワクチン接種。外国で生水、氷、ナマの魚などを食べない。
  ●B型肝炎
 主に血液、セックス、母子感染でうつる。大人が感染すると自覚症状のないまま免疫システムによりウイルスがいなくなるか、急性肝炎になるが慢性化はしない。
 子供の時期に感染するとキャリアになり、気が付かないまま一生過ごしてしまうケースと、大人になってから急性肝炎→慢性肝炎へ進むケースがある。
 予防/ワクチン接種。コンドームをする。血液がつくような器具を使い回ししない。
 ●C型肝炎
 今大問題になってるのがこれ。慢性化しやすく、肝硬変から肝臓がんまで進む可能性がある。ほとんどが血液を介して感染する。出血をしなければセックスでうつることはほとんどない。母子感染もまれ。
 このウイルスが見つかったのは1992年のことで、そのためそれ以前に輸血などで感染し、気が付かないまま肝炎になってる人が少なくないといわれています。
 予防/コンドームをする。血液がつくような器具を使い回ししない。
また、B型などのウイルス性肝炎や、薬による肝炎にかかった肝臓の細胞が急激に破壊され、重症に陥った状態を「劇症肝炎」よびます。肝機能が麻痺して(肝不全)、死にいたることもあります。
漢方薬で肝臓病を完治することは出来ませんが、日々の生活を快適に長生きをしていただくことは出来ると思います。

子宮筋腫
子宮筋腫は良性の腫瘍で、筋腫細胞が増殖したものですが、ガンのような悪性腫瘍とは違い、大きくなっても周囲の組織を破壊したり転移したりはせず、子宮筋腫のせいで死ぬようなことはありません。ほとんど気にならない人もよくいます。しかし、状態によってはなんらかの問題を引き起こすこともあります。特にこれから子供を作りたい人は気にしたほうがいいですね。40歳にもなると、4人に1人は子宮筋腫があるといわれています。
 子宮は筋肉でできた袋です。その筋肉の内や外にできます。できた場所により名前があって、
子宮頚部筋腫…子宮の頚部にできるもの
子宮体部筋腫…体部(妊娠すると大きくなる部分)にできるもの
この2つにまず分け、さらに
●筋層内筋腫 筋肉の中で発育するようにできるもの
●粘膜下筋腫 子宮の袋の内側に発育するもの
●漿(しょう)膜下筋腫 子宮の外側に発育するもの
と呼びます。一番多いのが子宮体部の筋層内筋腫です。また粘膜下や漿膜下筋腫には、形はこぶのように盛り上がるもの、筋肉の表面から細い茎をもって茸のような形になるものなどがあります。大きさはさまざま。患者さんが閉経するまでは、だんだん大きくなっていくのがふつうです。一個しかできないというわけではなく、何種類もの筋腫がいくつもできることもよくあります。普通は血液から栄養をとってゆっくり大きくなっていきます。育つ早さは決まっていません。子宮筋腫がガンに変わることはありませんが、数カ月のうちに急に大きくなるようだったら、筋腫じゃなく悪性の肉腫だったなんてこともまれにあるので、注意が必要です。数が増えることもあります。そのままにしておくと筋腫に血が届かなくなってきて、筋腫を作っている組織に変化が起こり、中にリンパ液がたまったり、石のように硬くなったり、中で出血したりします。その時発熱したり腹痛が起きることがあります。患者さんが閉経するとそれ以上育たなくなり、だんだん小さくなってゆくのが普通です。特に漿膜下筋腫は大きくなるまで気がつかないことが多く、直径20センチ以上、重さも1キロ以上にまで育つなんてこともあります。できる原因や予防法は不明です。ただ、筋腫が育つのは女性ホルモンが助けているようです。放っておいて、自然になくなるものではないですね」
 子宮筋腫ができることで、貧血と生理の変化がおこります。貧血のために非常に疲れやすくなったり、めまいや動悸、息切れ、だるさ、足のむくみなどが起きます。生理の痛みが強くなったり出血が増えたりする場合もあります。他には不正出血が起きたり、生理ではないのに下腹部が痛かったり、下腹部にしこりを感じるなど。しかしこういった自覚症状がまったくない人も多いのです。
 子宮筋腫が引き起こす問題は、時に、粘膜下筋腫で茸のような茎をもつものが子宮の中から膣の方へ飛び出してきてしまうことがあります。これを筋腫分娩と呼ぶのですが、飛び出してくる時、激痛があります。出血もしますし、筋腫がそのままぶら下がってしまうので、それを伝って子宮の中に雑菌が入り、炎症を起こしたりします。また、頸部筋腫や体部下方の筋腫が大きくなると、尿管といって腎臓と膀胱をつないでいる管を圧迫して尿の流れをせき止め、水腎症になり、腎臓の機能が低下することもあります。
 一番問題になりやすいのは妊娠の時。できた場所や筋腫の状態によっては妊娠しにくくなる、また、子供ができても流産・早産しやすくなることがあります。子宮がしょっちゅう収縮して胎児の成長の邪魔になったり、筋腫のせいで逆子になったり、産道をふさいで普通のお産ができなくなったり。筋腫が卵管を圧迫してふさいでしまったり、子宮の壁が筋腫ででこぼこだと受精卵(胚)が着床しにくくなるなど、不妊の一因にもなります。
子宮の外に発育する漿膜下筋腫などが大きいと、妊娠が進んでお腹が大きくなってきたとき、肺などを圧迫して呼吸が苦しくなることもあります。また、妊娠中や妊娠後に子宮筋腫部分が壊死し、発熱、激痛、感染などが起こり、手術で取り出さなければ危険になることもあります。
●筋腫が小さくて数も特に多くなく、妊娠の予定もなく、貧血や辛い症状などもない
 →年1回検診で様子をみる。状態によっては3〜4カ月に1回検診で経過をみて、治療が必要か判断することもあります。妊娠中であったり、糖尿病や心臓病などがある、閉経が近い人なども経過をみることがあります。
●本人に辛い症状や貧血がある、筋腫が大きい、不妊の原因になっている可能性があるなど
 →治療
 基本的には手術で取り除くことになります。薬も使うことがありますが、薬ではなくせません。貧血や月経痛の軽減や手術前に筋腫を少し小さくするなど、補助的なものだと思ってください。これからまだ子供を作るかもしれない若い人や、筋腫が不妊や流産の原因になっている人の場合は、できるだけ筋腫だけを取り除く手術をします。普通は開腹手術です。内視鏡手術などもありますが、まだそれほど一般的ではありません。
筋腫は取り除いてもまた再発しますので、重症の場合は年齢や妊娠の有無を考慮してから子宮を全部摘出してしまうのが一番確実です。卵巣は残しますからホルモンなどへの影響はありません」
漢方薬で筋腫のお世話が出来ます。漢方は、静脈の滞りを取って筋腫が起こる原因を改善します。

血管年令


「血管年齢」という言葉が医学界で国際的に注目されたのは1998年。そして2000年、血管年齢を測定する機械が普及し、比較的簡単に血管年齢を測ることができるようになりました。この機械は血圧脈波といって、心臓から血液が送りだされる時の鼓動が血管を伝わるスピードを測っています。若い柔軟な血管ですと、鼓動の伝わり方はゆっくりですが、血管が老化してかたくなっていくと、鼓動が伝わるスピードが速くなります。このようなかたい血管では、血液の勢いなどで内壁が傷つきやすくなっています。傷ついた部分はその後カサブタのようにふさがりますが、その部分がさらにかたくなり、そこに血圧の上昇などで、血液の強い力が加わると血管壁が壊れて血管をふさいでしまい、心筋梗塞や脳梗塞につながるのです。
血管年齢は糖尿病・高脂血症・高血圧などがあると、年齢不相応に高くなる場合がありますが、それ以外に、日常生活の送り方次第で高くなることがあります。日常生活の行動のうち、影響が大きいのは運動不足。運動不足ですと、食べたもののエネルギーが余って、それがゆくゆく血液中の中性脂肪などになって溜まってしまうためです。しかし、運動ならなんでも良い、ということではなく、実は運動もやり方によって、血管年齢を高くしてしまうことがあるのです。力を一気に入れてしまったり、競ったりするような激しい運動(激しいジョギング、バレーボールの試合など)は、血管を収縮させ、血管をかたくさせてしまう事があります。ウォーキング、エアロビクス、水泳は血管年齢を若く保つ為に有効な運動です。
実は「性格」も血管年齢に大きく影響しているとのこと。責任感が強かったり、せかせかしたりする人は要注意。そういった方は、常に緊張してストレスがかかった状態になります。そうしますと、血管は収縮してかたくなった状態になり、血管年齢も上がりやすくなります。悩みをなるべく抱え込まず、自分なりのリラックス方法を見つけることが大切です。

 
糖尿病

日本人に多い2型糖尿病ではインスリンの出が悪いと思いがちですが、実は出が悪くなる前にインスリンの効き具合が悪くなり、たくさんのインスリンが分泌されます。これを「インスリン抵抗性」といい、同じだけの血糖を下げるのに必要なインスリン量が多い場合を、インスリンの抵抗性が高い(感受性が悪い)と表現します。このインスリン抵抗性は、糖尿病の発症や状態に大きく係わっており、さらに、高血圧、高脂血症などの動脈硬化の危険因子を誘発して心筋梗塞などを高頻度に発症するメタボリックシンドロームの下地となっていることから注目されています。インスリン抵抗性の原因は遺伝的要因もありますが、内臓脂肪型肥満(内臓脂肪)、運動不足、食事の欧米化(高脂肪食)の要因が強くあげられます。インスリン抵抗性の人が増えてきている理由は、日本人は農耕民族でしたので歴史的にインスリンの分泌量が少なく、急激な食生活の西洋化に対応しきれなくなっているのでしょう。インスリン抵抗性の予防には、食事や運動の改善に勝るものはありません。魚油(シーアルパ88)にはこのインスリン抵抗性の改善効果が知られています。

 

心臓
階段を上がったり、走ったりして、すぐに息切れがして「年とったなあ」「運動不足だなあ」と感じる方も多いのでは?これは心臓の弱りが原因の一つ。休みなく地球2周半にも及ぶ全身の血管へ血液を送らなくてはならない心臓。何もしなければ加齢と共に衰えていきます。最近では散歩や登山、スポーツをする人が増えている一方、肥満を感じると嘆く人も過去最高であることが、内閣府の「体力・スポーツに関する世論調査でわかりました。
「肥満を感じる」30歳代 46.8%40歳代 57.0%
働き盛りの肥満が心臓の老化を招き、息切れや動悸としてあらわれます。
運動の効用は心臓自身を鍛えるだけでなく、腕や足の筋肉を鍛えることで、筋肉が血液を流すポンプの役割をしてくれるのです。手足の筋肉は「第2の心臓」なのです。心臓だけに頼るのではなく、手足にもポンプがあれば、心臓の負担は軽くなります。運動にプラスして心臓への栄養素も大切。魚や肉、ブロッコリーなどに含まれるコエンザイムQ10は心臓の機能を助けてくれます。また生薬の牛黄の働きには強心作用があり、心臓のポンプを強める働きがあります。機械的に飲んでいるときだけ効く現代薬だけでなく、元から強くする漢方薬を併用して飲んだら如何でしょうか。

女性の不妊

 女性の主な原因は……
 卵巣> 卵胞が大きく育たない、排卵が起きない
 これを調節する中枢のホルモンの異常などが主な原因。ぜひ勧めたいのが、基礎体温を計ること。排卵があればはっきりした低温期と高温期があります。基礎体温が2相性にならず毎日ばらばらだったら排卵していない可能性があります。
 卵管> つまっていて卵子が通れない、炎症や癒着などで卵管や卵管采の動きが悪く卵子を迎えにいけない、うまく精子と出会えない、受精ができても受精卵を子宮へ送り込めない、などが起こります。その原因として、クラミジアなど感染症や子宮内膜症、子宮筋腫などがあげられます。
 着床> 着床できない
 卵巣からのホルモン作用が十分でなく、子宮内膜が薄すぎる、子宮筋腫などで子宮の壁がでこぼこしているばかりでなく、内膜のほうまで影響を受ける。子宮奇形などがあって子宮内が狭い、流産手術や炎症などで子宮内に癒着がおきている、など。その他、甲状腺ホルモンやプロラクチンと呼ばれる乳汁分泌ホルモンなどの異常も考えられます。
 着床できても育たない
 胎盤が正常に発育できなかったり、妊娠はできても流産してしまうという患者さんがいます。これも原因は免疫の異常、ホルモンの異常、染色体の異常など、さまざまあります。

 このほか、全身の異常や病気、女性の身体が精子に対し抗体を作ってしまうなどさまざまな原因があります。ストレスが強いのも妊娠を妨げやすいです。また、特にどこにも問題がないのに妊娠できない原因不明のケースも多くあります」

 

めまい

「めまいとして訴えられる症状は、4つのタイプに分けられます。
 ○激しいめまい
 自分または自分の周りが回る「回転感」。
 目が回る、天井が回る、窓や柱が流れたり傾いて見える。
 回ったり傾いている方向がはっきり自覚できる。
 ○軽いめまい
 フラフラする、身体が揺れる感じがあるが自分の周りの壁などは動いていない。
 または足がふみしめられない、足元がふわふわする、浮いているような感じ、肩や首筋が張る、後頭部が重い、不安定、船酔いしたような感じ
 ○その他
 頭、または身体がふわっとする、目の前が暗くなる(たちくらみ)、一瞬気が遠くなる。急に立ち上がった時などに起きるものと、特にそういったきっかけがないものがある。
 ○平衡失調
 よくつまずいたり転んだりする、まっすぐ歩けない、人からまっすぐ歩いていないなどと指摘される。めまいと自覚していないことも。
 天井などがまわるようなめまいを起こしている時、眼振(がんしん)といって、眼球が勝手に規則正しくビクビクと動いています。
病気が原因ならば、症状がめまいだけということはありません。よくめまいと共に訴えられるものでは、
 ○自律神経症状
 頭痛、気持ちが悪くなったり吐き気がするなど。
 ○耳関係
 耳鳴り、急に起こる難聴、聞こえにくさが変化する難聴。
 以前から難聴があった場合は、めまいの時ひどくなったり、めまいが治ると難聴がなくなったり。
 ○さまざまな神経症状
 複視(ものが重なって見える)、顔面神経麻痺、嚥下障害(ものを飲み込みにくいなど)、言語障害、身体の一部で温感や痛覚が異常になる、起立、歩行障害など
 ○その他
 肩や首がこる、手足のしびれ、動悸、胸の痛みなど

現代医学で改善しないめまいの方は漢方治療をお勧めします。


自律神経失調症

「立っていられないほどダルイ、頭痛がひどい、めまいがするなど、さまざまな症状で病院に行くのに、いろいろ検査をしても何も病気が見つからない人がいます。このような患者さんの訴えを不定愁訴と呼びます。いろいろな不調が一度に出ていることが多く、しかし病気と診断されないから治療法も見つからず、年齢によっては更年期障害の一言で片づけられてしまうなど周囲の理解も得られません。病院を転々とする方も多いのです。
このような患者さんに対し、時々つけられる病名が自律神経失調症。

 内臓などに病気はないけれど、身体のさまざまな働きを司る自律神経がおかしくなっちゃってるから具合が悪い、ということです。それはその通りなのですが、自律神経そのものには障害はなく働きが悪くなっているという意味で、なぜそうなったのかが判ったわけではないのです。

 しかしこのような“名前のない病気”も、漢方医学なら説明することができますし治療方法もあります。

 

メニエール病
「メニエール病は耳の内耳という部分の病気で、それで死亡したりするようなことはありませんが、たいへん辛い病気です。多くの場合原因は不明です。近年患者数が増加しているので現代病とも言われています。患者さんはほとんど大人です。
症状としては
 ・めまい
 ・耳鳴り
 ・難聴
この3つが同時に起き、この発作を不定期に何度もくり返します。発作が起きている時間は最初は短いのですが、悪化してくるとだんだん長くなり、数日にも及びます。たいへん辛いので寝込んでしまうほどです。
残念ながら根本的に治療して2度と発作を起こさないようにすることはむずかしいのですが、漢方薬は体質的な欠点を改善しますから治療と再発を防ぐことの両方を並行して行うようなものです。

男の更年期
だるい、いつも疲れた感じがする、寝付きが悪い、何をするにも集中力が続かない……。こんな不調が思い当たったら、「男性更年期障害」かもしれません。「更年期」というと閉経前後の女性特有の症状と考えられがちですが、最近は男性の更年期が注目されるようになってきました。男性で中高年以降に増えるうつ病やED(勃起障害)も、更年期と深くかかわりがあります。
<男性更年期の症状>
■体の不調……頭痛、めまい、だるさ、疲労感、動悸(どうき)、息切れ、手足のしびれ、冷え
■心の不調……やる気が出ない、記憶力・集中力の低下、不安感、イライラ、不眠
■性機能障害……性欲減退、ED(勃起障害)、頻尿、残尿感
男性更年期は、男性ホルモン(テストステロン)の減少が引き金となって起こります。男性ホルモンは、性機能だけでなく、脳や筋肉の働きとも深くかかわっているため、男性ホルモンが減少すると全身の不調につながります。女性の場合、閉経を境に女性ホルモンが急激に減少するため、ほてりやのぼせなどの症状も自覚しやすいもの。ところが、男性ホルモンの変化はゆるやかで個人差が大きく、50〜70代にかけて長期間続くこともあります。「ホルモンの減少」という身体的要因に、ストレスなどの心理的要因が加わり、疲労感や不眠など、身体の変調が強く出る人が多いにもかかわらず、周囲の理解を得られず一人で悩む人も多いようです。
神経質できまじめな人、気分転換できるような趣味がない人は、更年期障害が強く出やすい傾向にあるそうです。これまでエネルギッシュに生きてきた人も、そろそろ心や体の緊張をゆるめていい時期かもしれません。義理のつきあいや自分に無理を強いることはできるだけ避け、自分のためだけの時間、自分を解放できる時間を作りたいものです。また、食事、運動、睡眠など、生活の基本になるものの「質」を見直すことも大切です。栄養バランスを良く、腹八分目に食べることはもちろん、アルコールの取り過ぎに注意するなどの生活改善で、ホルモン減少にブレーキをかけることができます。
男性更年期は漢方薬がよく効きます。

女性と漢方

 春夏秋冬、変化に富んだ日本の四季。急に日が短くなり木枯らしが吹き始めるこの時期はなんとなく物悲しい気分になります。こころが落ち着かずに気持が沈んでしまう、あるいはイライラして空回りしてしまうといったことが見られます。また、冬を告げる風とともに足腰の冷えやのぼせ、むくみ、お肌のかさつきなどが気になり始めます。
 最近では女性の社会進出が目覚ましく多くの方々がご活躍されていますが、仕事をこなすために生理不順や冷え症、更年期などの悩みを抱えたまま無理をかさねているひとが本当に多いのです。また、女性には特有のリズムがあり、妊娠、出産などを機に体質や習慣のリズムが変化することもあります。
  一言でからだの調子が悪いと言っても十人十色、年代や体格、体質がちがえば症状もちがってきます。また、こんなに具合が悪いのに病院の検査では「異常なし」と言われてしまうこともあります。
 そんな時に漢方薬を試してみてはいかがでしょうか?きっとあなたのつらさをやさしくうけとめてくれます。


女性の体の不調でよく見られる症状としては
・ 手や足がむくみやすい
・ 冷える、のぼせる、冷えのぼせ
・ 月経痛・月経異常・子宮に関する疾患
・ 更年期障害などによるイライラ
などがあります。
当てはまるなあと思われた方、症状に合った漢方薬で、はつらつとした毎日を楽しみましょう。

11月になり、空気が乾燥、朝晩の冷えが気になる季節となりました。この時期は、鼻の奥にある"免疫の急所"「鼻咽腔(びいんくう)」の働きが弱くなってしまいます。日本人の約8割は鼻咽喉が炎症を起こしているといわれます。鼻咽喉の炎症は、感染症だけでなく、頭痛、肩こり、肌荒れ、消化不良、関節痛など全身の不快症状を招き、さらには肺炎、ガンなどの大病の危険性も高まるといわれています。
鼻からは小さな埃・花粉・ウイルスなどが入ってきますが、正常ならば粘液につき繊毛によって体外に排出されます。しかし、鼻の中がかゆいことがある、お酢など刺激の強い匂いをかぐだけでむせることがある。そんな方は、"免疫の急所"鼻咽腔の病原菌を追い出す働きが低下しています。また、鼻の奥がスースー、ひりひりと感じたり、のどがイガイガしたり、渇きやすい。そんな方は鼻咽腔が弱って炎症を起こしている恐れがあります。このような症状が出てしまった場合、鼻咽腔の病原菌などの異物を追い出す働きを強化することが大切となってきます。
朝晩の気温の急激な低下は、"免疫の急所"「鼻咽腔」の炎症を招きます。また、同時に気管の収縮を引き起こし、喘息の引き金ともなるのです。なお、気管支喘息のある人の70〜80%はアレルギー性鼻炎があると言われます。鼻にアレルギーが起これば「アレルギー性鼻炎」。気管にアレルギーが起これば「喘息」。これらは同じように粘膜の炎症で起きているのです。精神的なストレスも、鼻咽腔の免疫力低下の大きな原因となります。「"人生を楽しむ"ことを心がけ、上手にストレスを解消することで病原菌から身を守りましょう」と、藤田耳鼻咽喉科・気管食道科 院長 杉浦昭義 先生は話します。
昭和大学医学部で、実験8時間前と直前にクマ笹抽出液を飲ませたラットの群と、飲ませなかったラットの群に分けて、ストレス性潰瘍に対する作用を調べました。それぞれを拘束したまま水に浸けることでストレスをかけ、胃の粘膜の変化を調べたところ、クマ笹抽出液を与えたグループのラットでは、実験前に水を与えたラットに比べ、潰瘍の数が半数近くに減っていることがわかりました。出血した跡も3分の1近く小さくなっており、深さについても浅い事がわかりました。また、"ストレスの3大指標"と言われる胸腺と脾臓、副腎の変化についても調べたところ、クマ笹抽出液を飲まなかったラットは、胸腺と脾臓の萎縮傾向があり、反対に副腎は肥大傾向が観察されました。一方、クマ笹抽出液を飲んだラットは脾臓の萎縮が明らかに抑制されており、副腎の肥大も観察されませんでした。この実験により、クマ笹抽出液の明確な抗ストレス作用と粘膜保護作用が確認できました。

プチ更年期
最近、20〜30代の女性に、更年期のような「月経周期の突然の乱れ」「顔のほてり」「冷え」「うつ症状」「疲れやすい」などの症状が起きることがあり、これを「プチ更年期」とも呼んでいます。
ただし、プチ更年期は本当の更年期障害とはメカニズムが多少異なるようです。本当の更年期は卵巣の機能が衰え、卵巣から分泌される女性ホルモンが減ることで様々な症状が起こります。一方、プチ更年期は卵巣機に問題はないのですが、卵巣に女性ホルモンを出させる「間脳」の機能がおかしくなり、女性ホルモンの分泌が乱れ様々な症状が起こります。
ではなぜ「間脳」がおかしくなるのでしょうか。その原因はストレス。職場や家庭での人間関係やダイエットによる栄養異常などが引き金になります。これらストレスをコントロールしているのも「間脳」なのです。だからストレスで間脳のバランスが崩れれば、当然女性ホルモンの分泌も乱れ「プチ更年期」を起こすのです。
ストレスを和らげることがプチ更年期を和らげること。アミノ酸の豊富な食事、1日30分以上の適度な運動、1日7時間睡眠でバランスを整えることは理想ですが、できなければ漢方薬が乱れた体のバランスを整えてくれます。毎日忙しく生活している方はぜひ試してください。

アレルギー
空気が乾燥して、皮膚炎などが悪化しやすい季節になってきました。日本人のアレルギー性疾患は、年々増加傾向にありアトピー、花粉症、食物アレルギー、ガーデニングやアクセサリーなどによる接触皮膚炎など若年者だけでなく中高年のアレルギーも増加しています。
アレルギーは、花粉や貴金属など主に体外に抗原がありますが、全員にアレルギー反応が起きるわけではありません。アレルギーの増加は、決して花粉が多くなったなどと抗原の多さだけが問題でなく、 食生活・体力・メンタル面など多くが関係していると考えられています。
アレルギーというと、ヒスタミンが引き起こすというイメージがありますが、実際には、ヒスタミンよりはるかに強いプロスタグランジンやトロンボキサン、ロイコトリエンなどの生理活性物質やサイトカインが多くかかわって炎症が起きています。医療用医薬品では、ロイコトリエンをブロックして鼻炎や鼻づまりを改善する薬が開発されています。
アレルギーの代表薬である抗ヒスタミン薬の服用によって眠気やだるさの副作用が服用者の20〜30%に発症しているといわれています。眠気を自覚しない人でも実は運動機能に影響を与え、自分ではしっかりしているつもりでもミスが多くなり、効率低下がみられます。QOLを考えるとやはり対症療法だけではなく、食事や栄養による根本的な対策も必要です。
脂質のバランスを整えるEPA・DHAなどn―3系脂肪酸や、人間の最大の免疫システム「腸管免疫」を正常化させる発酵食品や淡色野菜、ロイコトリエンの生成を抑えるオリーブ果実や炎症を抑える抗酸化力を有する野菜たちなど様々な食品に有用性が見出されています。
 シーアルパアレギーの中にはこれらの有用なエキスが網羅されています。

心のトラブル
寒さを肌に感じ、ちょっぴりブルーな気分になりやすい季節です。季節の変わり目は身体だけでなく心のかぜにも注意が必要です。最近、心の病と食の関係が注目されてきています。大西洋を小型ヨットで航海中に遭難し、76日間も漂流して奇跡の生還を果たしたスティーブン・キャラハンは自身の飢餓体験を通して、「精神が肉体をコントロール できると考えていたが、飢餓状態では肉体が精神を支配することがわかった」と述べています。日常でも、お腹が空いたらイライラしますし、朝食を食べない児童は授業中落ち着きが無く態度が悪く、成績も悪いことが知られています。血糖値が下がるとアドレナリンが分泌されてイライラするのです。心の栄養素としてアミノ酸も大切です。なぜなら、脳内で心をつくるのに関わっている神経伝達物質は、アミノ酸そのものであったり、アミノ酸を原料につくられているからです。抗うつ薬はこの神経伝達物質の働きに作用するものです。また、魚をよく食べる人は自殺のリスクが低いことが知られています。EPA・DHAは精神の安定にかかわる神経細胞を活性化させ、うつや自殺願望を抑えると考えられています。このように、私たちの心の働きには食事からの栄養素が重要な働きをしており、食の乱れによる栄養素不足が心の病の一因になっているということが言えそうです。心の病の予防には、まずはしっかりした食事を心がけたいものです。
心のトラブルには漢方薬を活用すると早く治ります。

 
肛門のまわりには、細い静脈がもつれた毛糸(肛門静脈叢)のように入り込んでいます。この肛門の血管には、手足の静脈と違って血液の逆流を防ぐ静脈弁がありません。そのため他の部分と比べると、わずかな障害で血液の流れが滞り、うっ血しやすいのです。
長時間の直立姿勢や冷え、疲れなどはこのうっ血の原因となり、痔を引き起こします。とりわけ、便秘の人は硬い便を出そうといきむことが多く、肛門部をうっ血させたり、傷つけたりすることにより、痔になりやすいといわれています。
●いぼ痔(痔核)
肛門の内括約筋の付近には、肛門を閉じるときに役立ち、クッションの役割を果たす細い動脈や静脈、筋線維などが集まった部分があります。この部分がうっ血して出血したり、大きくなったりして、肛門の外へ脱出した状態がいぼ痔(痔核)です。
いぼ痔は、できる場所によって区別されます。歯状線(直腸と肛門の境目のギザギザした部分)よりも内側にできる内痔核と、外側にできる外痔核があります。
どんな症状?
内痔核は痛みをほとんど伴いませんが、大量に出血します。一方、外痔核は出血は少ないものの、痛みを伴います。初期は軽い痛みがあり、排便後もすっきりしません。 
 ●きれ痔(裂肛)
硬い便や下痢便などによって、肛門が傷つき、裂けた状態です。
どんな症状?
排便時に刺すような痛みが特徴です。痛みは排便の後も続き、出血を伴います。出血は紙に少しつく程度であまり多くはありません。
●あな痔(痔ろう)
直腸と肛門を隔てる歯状線のくぼみに、便が入り込み、細菌感染によって化膿し、さらに進行して膿の管ができた状態です。
どんな症状?
膿性の分泌物が、絶えず少しずつ排出されます。ろう孔と呼ばれる、器官や粘膜・皮膚に通じる穴(健康な場合にはありません)から膿が出て、常に痒さと不快感が伴います。また、膿がたまると、発熱や痛み、腫れなどの症状が現れます。
●ぬけ痔(脱肛)
内痔核が悪化して肛門全体が脱出した状態です。突出部が括約筋にしめつけられるため、痛みが激しいのが特徴です。
どんな症状?
いつまでも便意があり、嵌頓(かんとん:腸や子宮などの内臓器が、腹壁の病的な間隔から脱出して、元に戻らない状態)を起こすと激痛がします。内外痔核の特徴でもあります。

痔の最大の原因は、便秘や下痢といった便通の異常です。
●便秘
便秘になると便が硬くなり、排便時に長い時間いきむようになります。硬い便で肛門部がすれることや、長時間いきむことによる肛門への負担が、痔核や裂肛の原因となります。
●下痢
下痢便は激しい勢いで排泄されるので、便秘と同様に裂肛の原因となります。また、下痢の水様便は、歯状線のくぼみに入りやすく、痔ろうを起こす原因になります。
●長時間同じ姿勢でいる
座りっぱなし・立ちっぱなしなど、同じ姿勢を続けることで肛門部の血流が悪くなり、うっ血しやすくなります。デスクワークの多い人や長時間運転をする人、あるいは立ち仕事の多い人などは、注意が必要です。
●便意を我慢する
忙しくてトイレに行けなかったり、電車の中で便意を我慢したりすることがたびたび重なると、便秘になりやすく、痔を悪化させる原因となります。
●下腹部に力を入れるスポーツ
ゴルフ・テニス・野球など、瞬間的にいきむことが多いスポーツは、肛門部に負担がかかって血流を悪くさせ、痔を悪化させます。
●香辛料やアルコール飲料の摂りすぎ
とうがらしやこしょうなどの香辛料は、ほとんど消化されずに排泄されます。とり過ぎると便に含まれる香辛料が患部を刺激し、痔の出血や痛みの原因になることがあります。
また、アルコール飲料のとりすぎは、下痢を起こしやすくなり、痔ろうや裂肛の原因となるなど、痔を悪化させます。
漢方薬で痔は治ります。


前立腺肥大
 前立腺肥大は男性だけが発症します。女性には前立腺がありません。
55歳以上の成人男性の4人に1人は前立腺肥大といわれています。高齢化に伴って、患者数は増加の一途をたどっています。厚生労働省の調査によると、前立腺肥大の患者さんは1998年頃から急激に増え、現在治療を受けているのは約80万人と推測されています。
前立腺は、膀胱(ぼうこう)の下にあり、尿道をとりまく形になっています。内腺と外腺の2つの部分からなっており、健康な成人の場合、クルミほどの大きさです。前立腺には、精液に含まれる粘液を分泌する機能があります。
前立腺肥大とは、文字通り前立腺が年齢とともにゆっくりと大きくなることです。これにより、尿道や膀胱が圧迫され、尿の出が悪くなったり、頻尿や残尿感を引き起こしたりします。残尿は、膀胱炎や尿道炎といった感染症の原因となるので、注意が必要です。ただし、前立腺ガンになる可能性は極めてまれです。
前立腺肥大症の自覚症状
以下のような症状があるときは、前立腺の肥大を疑ってください。
・夜間頻尿
・尿の切れが悪い
・尿に勢いがない
・尿が出にくい
・残尿感がある
・下腹部に不快感がある
前立腺肥大は男性ホルモンと関係の深い疾患ですが、その影響は個人差があるようです。
一般に脂肪摂取量の増大や精神的なストレスなどが、症状を悪化させる要因としてあげられます。前立腺が肥大すると、周囲の組織を炎症させ、それに伴って周囲の神経が興奮します。頻尿や閉尿(尿が出ない)がひどくなるのは、このためです。なお、肥大のサイズは症状と直結しませんが、感染症を併発すると状態は悪くなります。 程度の差はありますが、高齢男性のほぼ全員が前立腺肥大となります。残念ながら発症は避けられませんが、適切な治療を受ければ改善する疾患です。男性の更年期症状、老化現象の一種、という見方もできます。漢方薬や薬草で結構快適に過ごせます。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎
 潰瘍性大腸炎と漢方
現代医学的な治療が行き詰っている病気の一つです。欧米の病気と考えられていましたが、戦後日本でも患者数が増加しています。最近では、10代後半から30代の男女同等に、毎年約4,000人の患者さんが新たに登録され、患者総数は約6万人といわれています。
大腸の粘膜に原因不明の炎症ができる病気です。潰瘍は、肛門に近い直腸から始まるのが普通で、その上のS字腸結腸、下行結腸と広がり、30%の人は大腸全域に広がります。
食生活の欧米化が原因といわれていますが、血中に抗大腸抗体、抗好中球細胞質抗体、抗血管内皮抗体などが発見されていますので、なんらかの抗原が体内に 侵入して自己免疫異常をおこしているといえます。ただ、これといったはっきりした原因はわかっていません。
初期症状
○大便が通る時に出血する。 ○1日数回の下痢便。 ○発熱。 ○軽い腹痛。
重症
○頻繁に下痢便を排泄する。 ○下痢便を排泄するたびに、粘っこい血便が出る。 ○たえず腹部全体が痛む。

漢方薬には潰瘍性大腸炎に対する処方もあります。現代医学の治療と並行してもかまいません。漢方薬で潰瘍性大腸炎が軽快できたらいいですね。


アレルギー
ストレスや好き嫌いがアレルギーを招く
 早いもので「阪神・淡路大震災」から10年の月日が経ちます。ようやく復興してきたものの、未だ、生活がままならぬ方やPTSD(心的外傷)により不安を抱えたまま生活されている方も多いようです。 この被害は物質文明を優先的に受け入れ、ひたすら経済成長のみを追求してきた現代日本の都市社会の弱さを、もろに暴き出す結果となりました。食べ物や衣料品など確かに物質的には豊かですが、精神面、身体的への意識はまだまだ低いという事実を残しました。 さて、もうひとつ残したもの、それはストレスによりアレルギーが悪化するという事実。 被害を大きく受けた人ほどストレスが大きく、アトピー性皮膚炎も悪化したのです。 アトピー性皮膚炎などのアレルギーは人の心の動きとも深く関わっているのです。 外国の実験でもバラの花粉で喘息発作が起きる人に、よくできた造花を見せるだけでも発作を引き起こしてしまうのです。 アレルギーの方は、対症療法のみに頼りがちですが、それこそ現代医療の過信かもしれません。本当に大切なのは食生活や心の豊かさなのです。 子供が嫌いなものの上位である魚料理にはEPAやDHAといったアレルギー反応を抑え、心の不安を抑える働きがあります。現在の症状を対症療法として治療することも大切ですが、根本療法として「食」と「こころ」をみなおし、アレルギーとうまくつきあうことが大切なのです。アトピー性皮膚炎は漢方薬でお世話できます。

強迫性障害

強迫観念の内容,強迫行為の種類にはさまざまなものがあります。

もっともポピュラーなのは、排泄物の汚れが広がっていくように考えて長時間手を洗う「不潔恐怖+洗浄強迫」と、スイッチを切ったかどうか、鍵を掛けたかどうかなどが気になり、くりかえし確かめる「確認強迫」です。何もしなければ洗ったり確かめたりする必要もないので、閉じこもりきりになったり、トイレ・入浴・着替えもせず寝たきりになることもあります。

「縁起恐怖」は文字通り縁起をかつぐ考え方や行為にとらわれるもので、たとえば神社やお寺などに右側から入ればいいが左側から入ると非常に悪いことが起こるという考えが押さえられずに、間違えると入り直したりします。「不完全恐怖」は、たとえば手紙を投函した後で郵便番号が違っていたのでは、何かを書き落としたのではと気になるあまり、郵便局に問い合わせずにはいられなくなったりします。「収集癖」の場合は、新聞やビラやカタログなど収集したものが古くなって捨てようとしても、ひょっとして捨てた後で必要になるのではと気になってしかたなく、捨てられずに部屋が一杯になってしまったりします。

「強迫性緩慢」というものもあります。服装が合っているか、持ち物が適切かどうかなどがいくら確かめても気がかりで、場合によっては出かける約束をしてから実際に外出できるまでに数日かかってしまったりします。周囲からは行動が非常に緩慢で時間がかかっていると見えるわけです。

いずれにしても、単なる完全主義傾向のようなものと違って、特定の観念・行為に限って極端にコントロールがきかなくなり、日常生活を困難にするほどになってしまうのです。

ばかばかしいとわかっていながら、自分の考え・行為を本人自身がコントロールできないので、苦しくつらい病気です。何時間もかかる手洗いなどの行為を家族がやめさせようとしたり、家族が本人の代わりに洗ってやるなどして、家族が巻き込まれることもよく起こります。

漢方薬で心を強くして下さい。

外傷後ストレス障害

外傷後ストレス障害
外傷後ストレス障害は、生命に関わるような出来事を体験した後、ふとしたきっかけでその光景を何度も繰り返し思い出す、悪夢にうなされる、びくびくと不安・緊張の強い状態が続くなど様々な症状がみられる病気です。こころに傷を受けるような出来事は、毎日の生活の中のあらゆる状況で生じます。しかし、外傷後ストレス障害の原因となる出来事に仕事の失敗や失恋は含まれず、誰であっても強い恐怖や動揺、ショックを感じるのが当然と思われるものに限られます。
 フラッシュバック:強い恐怖体験をしたときに、脳の一部から交感神経を緊張させるような物質が多量に分泌され、記憶作用が高められるために起こるのではないかと仮説されています。失恋や、仕事の失敗などではこのような神経の高ぶりは認められないので、外傷後ストレス障害は、強い恐怖体験によって、脳(こころ)に刻みこまれた傷であると言えます。
麻痺:本人にとって、苦痛な出来事の記憶を意識の奥深くに閉じ込めてしまおうとするために生じる症状です。記憶を閉じ込めてしまうことで、一時的には楽になれますが、そうすることで体験の記憶やそれまで持っていた感情も一緒に閉じ込められ、無感情になってしまいます。
過敏反応:体験のときに生じた強い興奮による交感神経の緊張が、その後もずっと続いているために生じる症状です。興奮状態が事件後も長く続くことによって、いつも気持ちが張り詰めて、些細なことに反応したり、イライラしたり、夜も安心して眠れなくなるという問題をもたらすようになります。
漢方薬で心を強くしていくことで軽減できます。

 

パニック障害

パニック障害ってどんな病気?
「ある日、突然、息が苦しくなって、胸がドキドキ、冷や汗が止まらない……、理由の分からない発作におそわれ、そして、また、あの恐い発作がいつ起きるか分からずに今も、ずっと不安な状態が続いている」こんな状態はありませんか? 
 
 パニック障害は、特別な理由もないのに襲ってくるパニック発作で発症する病気です。この発作は1回で終わることはなく、何度も繰り返されます。そして、そのうち「また、あのパニック発作が襲ってくるのではないか……」という強い不安が患者さんを苦しめるようになります。このパニック発作が起こることを強く不安に思う症状を予期不安と言い、パニック発作と並んでパニック障害の特徴的な症状です。 パニック発作では様々な症状がみられます。「胸がドキドキする」といったあるひとつの症状が出るというよりは、同時にいくつもの症状があらわれます。パニック発作ではこれらの症状が何の前ぶれもなく突然起こり、多くの場合10分以内でピークに達し、通常30分以内でおさまります。

パニック発作を初めて経験したとき、あまりの発作の激しさに救急車で病院へ運ばれることもしばしばあると言います。しかし、このまま死んでしまうのではないかと思うくらいの激しい発作が起こっているにも関わらず、病院で検査をしても心電図や呼吸機能、血圧などには特に異常は認められません。しかし、多くの患者さんがこの検査結果に納得いかず、いろいろな病院を周り検査を繰り返すのですが、その間、適切な治療が受けられないために、症状を悪化させるケースが少なくありません。


パニック発作を恐れる強い不安(予期不安)がさらに症状を悪化させる

パニック障害には、「あの恐ろしい発作がまた起きるのではないか」という不安感(予期不安)が必ず伴い、発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強まり、症状を悪化させていきます。予期不安にみられる症状には、パニック発作が起こることに対する不安の他にも、発作が起こったときに人前で取り乱してしまうことや、人に迷惑をかけることを不安がることもあります。


「広場恐怖」が生活に大きな支障をきたす

予期不安の症状が強くなると、発作を恐れて外出できなくなったり、発作が起こったときにすぐに助けを求められないような場所やその場からすぐに逃げ出せない場所を避けるようになり、このような症状を「広場恐怖」と言います。

広場恐怖とは、「広場」を恐がるという意味ではなく、パニック発作を経験した人が“特定の場所や状況”を避けるようになることです。例えば
・ 電車やバス(特に急行など停車間隔の長いもの)
・ 人ごみ
・ 地下道
・ 高速道路、高架橋(車の運転の場合)
・ 美容院、歯科
・ 屋外
などです。
広場恐怖の症状には軽いものから、重症のものまで様々な状態があり、重症になると日常生活は大きく障害されるようになります。

パニック障害の治療
漢方薬と自然薬を使います。パニック発作が起こらなくなったら、それまで避けていた状況や場所に徐々に挑戦する治療を行います。 

 

結石

 尿路に石のようなかたまり(結石)ができる病気で、結石が存在する場所によって、腎(腎杯、腎盂)結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などと呼びます。 腎臓の中で、糸球体によってろ過された原尿が、尿細管で再吸収され、尿が生成されます。その尿が集合する腎孟の付近で、尿中の成分が結晶化して結石を作るのです。結石の90%以上が、カルシウムかマグネシウムのシュウ酸塩あるいはその両方で、その他はシスチンや尿酸などの有機成分です。 原因は複数あるといわれます。たとえばカルシウム含有食品の多量摂取や、骨折などによる長期のベッド生活、ガンの骨転移、骨髄腫などの骨疾患、原発性副甲状腺機能亢進症による高カルシウム血症、低リン血症(約70%に腎結石がみられます)、長期に制酸剤を服用している患者さん、ビタミンD過剰症、男性ホルモンの過剰、社会環境によるストレス、薬物による障害などが、結石の形成の誘因になります。漢方薬は大きくなりすぎていない石なら溶かして出しやすくしたり、再発予防もできます。


おとなのニキビ
 マメに洗顔し、ニキビを治そうと薬を塗り、お化粧で毎日必死にニキビを隠して、食事も気をつけている、なのにちっともよくならない。こんな悩みを抱える女性が増えています。ニキビといえば青春のシンボル。思春期の過剰な皮脂の分泌が原因とされ、大人になってからニキビができることはまれなことと考えられてきました。ところが、最近30代40代でもニキビに悩む成人女性が増えているのです。

6割に男性ホルモンの異常

成人女性でニキビに悩む患者のうち、次の4つの共通点が見つかりました。

ストレスの多い、働く女性に多い

生理の1週間前にひどくなる

下顎や首など顔の外側、フェイスラインにそってニキビができやすい

ふつうのニキビ治療ではなかなか治りにくい

ホルモンの関係を調べるため、血液検査をおこなったところ、ニキビがひどい人はない人に比べてテストステロンなど男性ホルモンの値が2倍も高いことがわかりました。男性ホルモンのうちジヒドロテストステロンの値に異常がある人は6割にものぼりました。

ストレスも大きな原因

成人女性のニキビは女性の男性化現象の兆候の1つではないかという説があります。女性も男性と同じように仕事を持ち、職場でさまざまなストレスにさらされるようになりました。ストレスがかかると、一種の防御機構として副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が分泌されます。それと同時に男性ホルモンも分泌が多くなります。これが働く女性にニキビが多い理由のひとつと考えられるのです。専業主婦でも嫁姑問題などストレスを抱えていればやはりニキビができやすいそうです。

ヒゲの代わりにニキビ?

思春期のニキビは、皮脂の過剰な分泌が原因です。毛穴に皮脂が詰まって盛り上がった状態が白ニキビ。ここに皮膚に常在するニキビ菌が感染して増殖し、炎症を起こした状態がいわゆる赤ニキビです。したがって、思春期のニキビは、ほとんどが皮脂の分泌が多い額や鼻など顔のTゾーンや背中にできます。ところが、大人の場合、ニキビは圧倒的に顎やほお、首など顔の周辺部にできます。ここは、脂っぽいところではなく逆に乾燥しやすい部分で、男性ならばヒゲの生える部位に一致しているのです。ストレスの多い女性に、男性ホルモンの分泌が増え、ヒゲの代わりにニキビができるようになったとも言えます。つまり、女性の男性化です。

クマ笹抽出液に含まれている葉緑素は、ニキビやそばかすなどに有効で、化粧品や外用薬として用いられていますが、ニキビは皮膚に薬をつければよくなるというものでもありません。ストレス、便秘、睡眠不足、血液の汚れなど、身体の中のひずみを治さない限り、いくら薬をつけても根本的な解決にはなりません。クマ笹抽出液には、ストレスによる悪影響を受けにくくする作用の他、ぜん動運動を促進します。


ピロリ菌
慢性胃炎の原因として知られるピロリ菌(正式にはヘリコバクター・ピロリ菌)ですが、日本人の約半数はこのピロリ菌に感染していると言われています。感染経路は不明ですが(ゴキブリが運ぶとの説もあります)、この菌は胃や十二指腸の粘膜に寄生し、胃痛・胃もたれなどの症状を伴う慢性胃炎の主な原因となります。またピロリ菌感染者の2〜3%は胃・十二指腸潰瘍を発症し、胃ガン患者の約8割にピロリ菌が見つかっています。WHO(世界保健機関)の国際癌研究機関は、ピロリ菌を発ガン因子に指定しています。最近は、ピロリ菌が心臓の冠動脈狭窄の危険因子の可能性があることや、ピロリ菌感染が大腸ポリープや大腸ガンなどと因果関係があるのではないかとの報告も出ています。またピロリ菌を除去(除菌)するとじんま疹患者の65〜80%が症状が軽快するとの研究結果も発表されています。ピロリ菌発見者で2005年にノーベル医学生理学賞を受賞したオーストラリアのマーシャル博士は最近来日し、「除菌で本人が胃ガンになるリスクを低下させるだけでなく、家族が感染するリスクを減らせる」と話しています。しかし除菌後、胸やけなどの逆流性胃炎や肥満などが出現することもあります。最近の学説では、ピロリ菌の除去と 胃がんの発生は反比例しないことが分かってきました。残念、僕も除菌したのですが。やはり漢方薬しかないか。

起立性調節障害
起立性調節障害は中学生の1割
「朝、身体がだるくてなかなか起きられない」。これは、思春期に見られる自律神経失調症である起立性調節障害の主訴の一つだ。起立性調節障害は、自律神経の機能異常によって、朝なかなか起床できなかったり、起立時の立ちくらみや倦怠感、思考力の低下などを呈する疾患。その原因は、自律神経系による循環調節不全などの身体的要因と、学校生活や家庭環境といったストレスなどが複雑にからんでいる。午前中に症状が強く見られるが、午後には改善することが多い。
推定患者数は軽症例を含め約100万人
 起立性調節障害の推定患者数は、軽症例を含めると約100万人で、一般の中学生全体の1割。立ちくらみや身体のだるさ、頭痛、失神の有無、朝起き不良などの身体症状や集中力や意欲の低下、いらいらなどの精神症状のほか、登校状態、運動、睡眠、食事、ゲームのやり過ぎなどの日常生活に関する点検も必要だ。起立性調節障害は、心身症でもあることから、身体的な症状に続き、心の状態を判定する必要がある。「学校を休むと症状が軽減する」「気にかかっていることを言われたりすると症状が悪化する」といったようなチェックも必要だ。「だらだらして怠けているのではないですか」「いつごろに治るでしょうか」といった保護者の誤解も回復の妨げになる。漢方薬はブクリョウと言う心臓のポンプ力を増す生薬を中心にお世話して行きます。随分と元気になっていただいています。

うつ病

会社員のA氏は、ある頃から、これまで大好きだったゴルフが楽しくなくなりました。また、OLのB子さんは、毎週のように出かけていたショッピングに全く出かけなくなりました。主婦のC子さんは、得意だったお菓子作りをする気にもならなくなってしまいました。これまで好きだったことや楽しかったことに、興味や関心が薄れ、意欲が低下していく、これはうつ病の特徴的な症状のひとつです。このようにうつ病は、不眠や食欲の低下などからだの症状と一緒に、こころにも症状があらわれます。「憂うつ感」と、「興味・関心の低下」がうつ病の2大精神症状といわれています。さらに症状が進むと、「自責感」や「無価値観」があらわれ、会社でミスばかりする自分はつまらない人間だとか、家事も出来ずに家族に申し訳ないなど自分を責めたりしとても辛い思いをするようになります。しかし軽症の段階では、ほとんどの人が気分が落ち込んだり、悩んだりしてなんとなく「うつ」っぽいと感じても、まさかそれがうつ病という病気になっているとは思わないようです。そして、知らず知らずのうちにうつ病を悪化させています。そのため、気分やからだの変調があらわれる前の元気だった頃の自分と今の自分を、からだとこころの両面から比べてみることはうつ病を疑うためのチェックポイントになるかもしれません。最近、うつ病の漢方薬を作る機会が増えています。多い時には1日数人作ったりします。そしてそれがよく効くのです。病院の薬と併用してもかまいません。


 

慢性疲労症候群
 がんや甲状腺疾患、更年期障害などの病気はないのに、日常生活が困難になるほど強い疲労感が半年以上続く場合を、慢性疲労症候群と呼びます。疲労感だけでなく、微熱や頭痛、関節痛、思考力の低下、睡眠障害といった症状を伴い、寝たきりになることもあります。原因はウイルスとも言われますがよく分かっておらず、最近はストレスの影響が注目されています。ストレスを受けると、様々なホルモンのバランスが崩れ、病原体から体を守る免疫系にも影響し、外敵と闘うNK(ナチュラルキラー)細胞の活動が低下します。すると、体内に潜んでいたウイルスが勢いづき、それを攻撃する免疫物質が作られますが、調節がうまくいかず、かえって神経系や内分泌系(ホルモン)にダメージを与えてしまいます。その悪循環の結果、体中から脳に信号を伝える各種の神経伝達物質が減り、脳の細胞が変調をきたして異常な疲労感が生じる、とみられています。大阪市立大病院の慢性疲労外来で診療する倉恒(くらつね)弘彦さんは「過労や対人関係など身体的、精神的な要因だけでなく、化学物質や紫外線まで、生活環境のあらゆるストレスが発病の引き金になりうる」と話します。確立した治療はありませんが、ストレスを和らげ、免疫機能を元へ戻すことが主眼になります。倉恒さんは「元の自分に100%戻れなくても、日常でできることが少しでも増えていけば社会復帰できる。あせらず、前向きな精神状態を保つことが大切」と強調します。僕は漢方薬でお世話をしています。

喘息
夏が終わり秋風が吹き始めると、喘息発作がひどくなったり、くしゃみ・鼻水などの鼻アレルギー症状が悪化する人が増えます。原因は梅雨から夏の間に室内で繁殖した家ダニです。室内のダニそのものは多くの場合、人を刺しませんが、ダニの死がいや糞が人にアレルギーを起こすことが分かっています。家ダニで最も多いのが、コナヒョウダニなどのチリダニと呼ばれる種類で、高温多湿の6〜8月に繁殖します。このためアレルギーを起こすダニの死がいや糞は8〜9月に家屋内に最も多く存在することになり、アレルギー持ちの人は症状が悪化するのです。チリダニが多くいる場所は布団や枕などの寝具、カーペット、ソファなどです。ダニ対策は、換気、除湿、清掃につきます。特に密閉性の高いマンションでは、こまめに空気を入れ換え、エアコンや除湿器で湿り気をとり、ダニが住み着きやすい寝具などを丁寧に掃除することが大切です。喘息治療の中心が、ステロイドで一生抑えこむ方法が世界的に標準になりました。治すことから一生おつきあいに変わったのですが、何か釈然としません。家族だったら漢方薬や、体質強化薬で必死で治すと思います。

口内炎
A氏(38歳)は、ある日歯茎の近くに口内炎を発見。「飲み過ぎで栄養状態が悪いのでは」と同僚に言われビタミン剤を飲んだが1ヵ月たっても口内炎は消えず、炎症の部位はますます広範囲になり、いつしか舌もうまく動かせない状態に…実は、A氏の口腔内のできものは口内炎ではなく「がん」だったのです。口の中のがんは長年の飲酒が原因となることが多く、日本酒に換算して1日に飲む合数と飲酒年数をかけた数値「Sake指数」が100に達すると、口腔内のがんの危険性がいっきに高まるとされています。昔から「酒は百薬の長」と言われており、最近の医学的研究でも「適量のお酒を飲んでいる人は、全く飲まない人や大量に飲む人に比べて死亡率が最も低い」というデータが発表されていますが、これは飲酒がストレスを解消したり、心筋梗塞や狭心症を予防する効果があるためです。ただし、適量を超えるととたんに死亡率は上昇してしまいます。(飲酒と死亡率の関係をあらわすデータは、その形から「Jカーブ」と呼ばれています)。お酒を飲み過ぎると肝炎や肝硬変になることは一般に知られていますが、それ以外にも脳卒中やがんなど、多くの生活習慣病にお酒が深く関係しており、死亡率を上昇させているのです.
口内炎は漢方薬で簡単にお世話出来ます。

まぶたの痙攣

眼瞼けいれんとは、目の周りの筋肉がけいれんして、目があけにくくなり、まばたきがうまくできなくなる病気です。
脳内の運動を抑制するシステムが機能障害を起こすことによって生じると考えられています。
しかし、発症の原因が完全には解明されていないため、症状を抑える治療が中心となっています。

症状について
眼瞼けいれんの初期症状としては、まぶたの不快感、まぶしく感じる、まばたきが多くなる、などがあります。
症状が進行すると、まぶたが頻繁にけいれんし、目をうまく開けていられないため、人や物にぶつかるなど、生活に支障が出るようになります。さらに進行すると自分の意思ではまぶたをあけることができなくなり、視力には問題ないのに機能的に盲目状態になります。
症状の進行は早くありませんが、何もしないでいて、自然に症状が軽くなることはほとんどありません。精神的な緊張の影響を受けることも多く、普段は重い症状があるのに、診察室では症状が出ないという例も見られます。
また、症状は通常、両目に起こりますが、左右差があることも少なくありません。漢方の世界では、まぶたの痙攣は水毒ととらえ治療をします。


隠れ脳梗塞

9月18日は敬老の日。寿命目いっぱいまで、ボケたり寝たきりになったりせず、達者で長生きしたいというのが中高年の健康ニーズです。しかし、現実は、平均して6〜8年寝たきりなどで介護を必要とするといわれています。寝たきりの原因に対する予防が大切です。
寝たきり原因ワースト5
1位 脳血管障害
2位 高齢による老衰
3位 骨折・転倒
4位 認知症
5位 リウマチ・関節疾患

寝たきりの原因の4位にもある認知症の最新の研究では、「運動」と「栄養」と「睡眠」による予防効果が明らかになっています。筑波大学の朝田教授らのグループは、認知症の前段階にある人を対象に、運動(フリフリグッパー運動。脳の認知に関わる前頭葉を刺激する運動)、栄養(魚の油、イチョウ葉エキス、トマト抽出物)、睡眠(30分以内の短時間の昼寝)を積極的にとるように指導したところ、認知症の予防効果が明らかになりました。

寝たきりの原因1位である脳血管疾患の危険因子として、「隠れ脳梗塞」が注目されています。隠れ脳梗塞とは、脳梗塞の初期の段階の症状が無い微少な梗塞です。40代の3人に1人、50代の2人に1人、60代の8割以上に隠れ脳梗塞があるといわれています。隠れ脳梗塞が見つかってから、数年以内に脳梗塞になる恐れがあります。漢方薬で防ぐことも多いに出来ると思います。


ストレスと脳
ストレスにより脳細胞が萎縮し、免疫システムの老化が早まるということを示した研究が、ニューオーリンズで開催の米国精神医学会(APA)年次集会で報告された。

 米ロックフェラー大学(ニューヨーク)神経内分泌学研究所のBruce McEwen博士らの研究によると、ラットに繰り返しストレスを与えると、脳のニューロン(神経細胞)の萎縮を示す徴候が認められたという。過去の研究で、ストレスによって脳海馬の神経細胞が萎縮し記憶力が障害されること、意思決定や注意力に関わる前頭前皮質と呼ばれる部位でも萎縮が起きることが明らかにされていた。今回の研究では、ストレスを与えられたラットは、餌の場所が変わったときに同じ手掛かりを別の方法で利用する能力(知的柔軟性)が失われたという。

 McEwen博士は、これはストレスホルモンが脳を作り変え、別のものに変化させることを意味すると説明している。ストレスを与えられた脳は、不安が大きくなり、注意力、学習能力、記憶力などが低下する。しかし、脳は回復力が極めて高いため、心理療法、認知行動療法および薬剤を組み合わせることにより正常な状態に近づけることができるという。また、脳の損傷は時間の経過によっても癒やされ、運動にも極めて大きな効果があることが明らかになってきている。

 この集会で発表された別の研究では、ストレスが免疫システムを破壊することも示された。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の精神分析医Elissa Epel氏によると、ストレスによって細胞内の染色体末端部のDNAが短くなり、適切に働かなくなるという。この部分のDNAは、靴ひもの先端のほつれを防止するプラスチックキャップのような役割をもつ。

 健康な女性を対象とした研究の結果、心理的ストレスがこの末端部の短縮に関わり、免疫システムの老化を早めることがわかった。この問題への対処法は、「十分な睡眠、活動的であること、健康的な食生活など、慢性疾患の予防法してすでに知られていることを守ることだ」とEpel氏は述べている。
最近僕は要望があれば(物忘れが激しい、思い出せない、言葉が出てこない)ある薬草を2つ、今までの処方に混ぜてあげる。そうすると結構頭が働き出すみたいだ。好評なので皆さん満足してくれているのだろう) 


痛風
痛風は、日本では昭和30年代から増えはじめ、現在では約50万人の患者がいます。中高年の男性に多い病気とされ、現在でも変わらず99%の患者が男性ですが、最近では30代で発病する人が最も多く、若年化する傾向にあります。痛風は、体内にたまった尿酸が原因で関節炎が起こったり、腎臓が侵されたりする病気です。ある日突然、足の親指の付け根が赤く腫れて痛みだします。痛みは万力で締めつけられたように激烈で、2、3日は全く歩けなくなるほどの痛みです。1週間から10日たつと次第に治まり、しばらくすると全く症状がなくなりますが、半年から1年経つとまた同じような発作がおこります。繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔が短くなり、この時には腎臓が侵されるようになります。関節症状と深く静かに進行する内臓障害。陰と陽のある病気ですが、陰の方が目立たないのが重要です。痛風は圧倒的に男性に多い病気です。1992年の東京女子医大の調査では男性が98.5%で女性はわずか1.5%でした。これほど男女差のはっきりした病気も少ないのですが、理由もはっきりしています。痛風の原因である尿酸の血液中の濃度(血清尿酸値)が女性では男性より低いからです。これは女性ホルモンに腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるからで、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると尿酸値は少し上昇します。つまり50歳を越えると男女の尿酸値の差は小さくなります。

痛風発作の原因は尿酸です。尿酸はどんな人の身体の中にも一定量あり、血液などに溶けて循環し、尿の中に濾し取られて捨てられます。ところが、何らかの原因で血液中の尿酸の濃度が上昇して飽和濃度を越えると、身体の中に蓄積してきます。溶けなくなった尿酸はナトリウムと塩(えん)を作り、結晶になります。尿酸の濃度が高い状態が続くと、この尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着してきます。痛風発作は、尿酸塩に対して身体の防御機構である白血球が反応し、攻撃する時に起こります。さらに、痛風の患者さんでは心筋梗塞や、脳血管障害などの生活習慣病を合併する割合も高いのです。痛風発作の激痛は「尿酸が身体に溜まっているよ、治療が必要だよ」という神様の警告と考えるべきでしょう。

1)肥満を解消すること:食べる総量を制限することが大切です。

2)アルコール飲料を控えること:休肝日を設けましょう!
3)積極的に水分を摂取すること:尿が1日2リットル以上になることが理想的です。

4)軽い運動を行うこと:ウォ−キングなどの有酸素運動は高血圧などの合併症にも有効です。

5)精神的ストレスをうまく緩和すること:のんびりゆっくり型のストレス対策が必要です。

クマ笹には、解毒代謝機能亢進作用、利尿作用などの新陳代謝促進作用があります。痛風の原因である尿酸の排泄を促し、治療や予防に期待が持てます。尿酸とは炭素、窒素、酸素、水素の分子から出来た化学物質で、プリン体と呼ばれ多くの種類がありそれらが最終的に分解され、尿の中に捨てられる形になったものが尿酸です。普通の人の体内では1日約0.6gの尿酸が作られます。尿酸の産出が多くなったり排泄が低下すると尿酸は体内に蓄積し、痛風を起こします。


痛風の方に漢方薬を作る機会は多いです。代謝(捨てる能力)を改善する処方というこになります。

頭痛

【普段起こる頭痛】
風邪、二日酔いなどが原因の頭痛です。
これは本人も頭痛の原因がわかりやすく、原因が無くなれば症状が治まる頭痛です。「病気」というほどではない頭痛です。
【脳の病気による頭痛】
脳腫瘍やくも膜下出血など、脳の病気が原因の頭痛です。
このような「脳の疾患による頭痛」はMRI(磁気共鳴画像)やCTスキャン(コンピューター断層撮影法)といった検査で診断ができます。
【慢性頭痛】
繰り返し起こる強い頭痛に悩まされるが、はっきりした原因、異常が見つからない頭痛です。いわゆる「頭痛持ち」を自認している方々で、非常に多くの人が慢性頭痛に悩まされています。これまでは、慢性頭痛は痛みの原因などの究明が進んでおらず、適切な治療法も行われてきませんでした。
慢性頭痛は、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つに分けられます。これら3タイプの頭痛は、それぞれ立派に「1つの疾患(病気)」としての症状を持ち、普段の生活に支障をきたすことがあります。
片頭痛
  頭の片側、または両側に、ズキンズキンとする痛みが起こります。吐き気がしたり、光をまぶしく感じたり、音に敏感になるなどの症状を伴い、女性に多い頭痛です。
緊張型頭痛
  長時間に及ぶデスクワークによる頭部の緊張や、精神的なストレスで起こる頭痛です。
頭全体がギューッと締め付けられるような痛みを伴います。
群発頭痛
1年の決まった時期、毎日の決まった時間帯に、目の奥に起こり、えぐられるような、何かで突き刺されるような激しい痛みが起こる頭痛です。

漢方薬はどの頭痛のタイプにも根治療法が出来ます。頭痛もちから脱出したい人は是非試してください。

肩こり
現代社会において肩や首のこりを訴える人は極めて多く、症状が発生する部位は、肩、首や後頭部、さらには背部におよびます。もっとも多い原因は、過労や不良姿勢により、頸部の筋肉に対して過剰なストレスが加わることです。その結果、筋肉の血行が悪くなり、疲労物質が蓄積し、こり感や違和感をおこします。筋緊張が強くなると、息苦しさや鈍痛などをともなう場合もあります。また、運動不足や加齢による筋力の低下や、寒冷などの環境的要因、心理的なストレスも発生因子として重要であるとされています。一方、同様の症状は全身のいろいろな病気にともなって発生する場合もあり、心疾患(高血圧、狭心症など)や消化器疾患(胆嚢炎、胆石、膵炎など)では、内臓関連痛というメカニズムで肩こりと同様の症状をおこします。さらに、虫歯、乱視、近視、眼精疲労、慢性扁桃炎、うつ病、心身症なども原因となりえます。対処法としては、肩や首を蒸しタオルで温め血行をよくしたり、首や肩のストレッチ体操をすることが有効です。予防のためには、日常生活や仕事上の姿勢に気をつけます。仕事や勉強の合間に適当に休憩をとり伸びや体操をすることや、生活のなかに気分転換やリラクゼーションをとり入れることも大切です。それでも改善しない場合は、漢方薬で症状に合わせた処方を作ります。

食道ガン
ビール1杯で顔が赤くなる人は、普通に酒が飲める人に比べて、食道ガンになるリスクが少なくとも8倍以上になる事が、国立病院機構大阪医療センターの調査で明らかになった。飲酒時に顔が赤くなる「フラッシング反応」は、アルコールから代謝されるアルデヒドが原因。アセトアルデヒドを分解、無毒化するアルデヒド脱水素酵素の正常型を持つ日本人は半数程度で、完全に解毒できない欠損型をもつ人との間で差が生まれる。食道ガン患者400人、健常者1400人の調査の結果、正常型の人に比べ、8.84倍もの食道ガンの発生リスクがあり、さらに1日3合以上飲酒すると、実に114倍ものリスクがあることが判明した。食道ガンにかかる典型的な例は、営業職に配属され、酒が弱いのに、接待などで無理やり酒を飲むようになり、次第に普通に飲めるようになるケースだそうだ。身に覚えのある方、要注意。こればっかりは漢方薬でも防げない。

女性の場合、いぼ痔に続いて多いのが切れ痔です。その理由として、一般に、女性の切れ痔の原因となる「便秘」の人が多いことがあげられます。特に20〜40歳代の若い世代に多く見られます(社会保険中央総合病院調べ)。硬い便が通過して傷つく「切れ痔(裂肛)」は、肛門の出口に近い、痛みを感じやすい部分が切れたり、裂けたりして起こります。便秘になり、太くて硬い便を無理に押し出すときに、その刺激で肛門が傷つくことが、切れ痔が起こる最大の原因です。「いぼ痔(痔核)」は痛みがないのに対し、切れ痔の場合は排便時に強い痛みを伴うのが特徴です。
●長い期間便秘ぎみ…切れ痔は、便秘による硬い便が原因になることがほとんどです。日ごろから便秘を予防することが、切れ痔の予防にもつながります。
●排便時や排便後に痛みや出血がある…排便時に硬い便が通ることで鋭い痛みを感じます。排便後にジーンとしびれたような痛みが続くことがあるのは、肛門の周囲の筋肉(内側の括約筋)がけいれんを起こすためです。出血は、切れ痔の場合はそれほど多くないのが特徴で、トイレットペーパーに少し血がつく程度です。
●日ごろから便が細い…切れ痔が進行すると、傷口が慢性の炎症を起こします。さらに悪化すると、炎症が進んで皮膚が硬くなり、肛門が狭くなる「肛門狭窄」を起こすことがあります。すると、便が細くなり、ときには鉛筆のように細い便しか出なくなることもあります。
食物繊維を多くとる…食物繊維を十分にとると、腸の中で水分を吸収して便のかさが増えるとともに、軟らかくなって出やすくなります。また、腸の運動を促進する働きもあります。
腹筋を鍛える適度な運動…適度な運動は、便秘の解消に役立ちます。特に腹筋を鍛えることは、便を押し出す動きを活発にすることにつながります。
漢方薬は痔の種類によって色々な薬草を組み合わせて薬を作ります。

便秘について
 このところ便秘の相談がやたら多いのだが、今日のお子さんは本当に気の毒だった。大阪から実家に夏休みを利用して帰っているのだが、うんちが1週間でないらしい。1週間目にラキソベロンと言う医療用の便秘薬を20滴服用するそうだ。大人の使用量が15滴なのに小学6年生でそれを超えている。又よくないことにその量でもあまりすっきりでないそうだ。いつからそうなのとおばあちゃんに尋ねたら赤ちゃんのころからと言っていた。要は生まれてこの方自然なウンチをほとんどしていないと言う事だ。色々な薬を試したが、結局はすぐ癖になってでなくなるらしい。わずか、この年令でなんて言うことだ。恐らく今まで多くの医師や薬局と縁を持っただろうが、誰一人解決策を提示していない。出せばいいくらいの認識なのだろう。成長期に毒素を排泄できない日々がどんなに不愉快か思いをはせなかったのだろうか。もし家族なら便秘薬を飲ませるだけで終わっていただろうか。正義を振り回すつもりはない。それとは縁遠いところで生きている僕だから。しかし、少なくとも幼い子の訴えに耳を澄まし、便秘薬が不用になるように導くべきではないかと思った。僕が得たその子にとってのキーワードは「逆上がりが出来ない」ということだ。その中にヒントが隠されているような気がした。大阪に1ヶ月分の漢方薬を持って帰った。結果が楽しみだ。その子が何回か呟いた。「夢みたいなことが起こるかも」と。

ドライマウス
「口が渇きやすい」「口の中が粘って話しにくい」「口臭がきつくなった」「食べ物が飲み込みにくい」など、口が渇く状態が続いている場合、「ドライマウス」の可能性があります。医学的には「口腔乾燥症」や「だ液分泌不全」などと呼ばれます。何らかの原因によってだ液が出にくくなり、放っておくと歯周病や虫歯、口内炎、味覚異常などを起こします。欧米の調査では4人に1人がドライマウスを訴えており、目の角膜が乾く「ドライアイ」の患者さん(約800万人)の多くがドライマウスの自覚症状もあるとの報告もあります。
 ドライマウスの原因はさまざまです。降圧剤や向精神薬などの薬剤の服用によってだ液の分泌量が低下する、糖尿病や腎臓病で口が渇く、だ液腺の炎症によって口腔粘膜が乾燥するシェーグレン病にかかっている、ストレスが引き金となって口内が乾燥する、放射線治療を受けて唾液分泌機能が低下する、などです。ただし、夜間に口が渇くのは、夜はだ液の分泌量が減少し、汗や呼吸で200〜300ミリリットルの水分が蒸発するためで、病的なものではありません。ドライマウスの治療は、上記の原因に応じ対症療法が中心ですが、ガムを噛んで唾液の分泌を促したり、口の粘膜を保護するジェル状の保湿剤なども登場しており、効果があると言われています。
 しかし、なんと言っても漢方薬が一番確実に効きます。根本療法ですから。

高血圧

高血圧は、日本で約3000万人ともいわれるほど患者さんの多い病気です。食事や運動などの生活習慣病の改善に努めれば、血圧を下げることは可能です。高齢者の血圧の特徴は、収縮期血圧と拡張期血圧の差が大きいことです。年をとると、誰しも高血圧になりやすいものです。それは血管の老化現象が大きな原因です。年をとると肌の弾力が失われてくるものですが、血管も同様で、血管壁の弾力が失われて硬くなります。すると、収縮期血圧が高くなります。一方、若いころに比べて心臓から出る血液の量は減っているため、拡張期血圧は低下します。つまり、高齢になると、高血圧になるだけでなく、収縮期血圧と拡張期血圧の差が広がっていくのです。このような状態は、動脈硬化をいっそう促進して、心筋梗塞や脳卒中などの命にかかわる病気を発症するリスクを高めます。高齢になれば血圧が高くなるのは自然なことだと思っている人もいるようですが、高齢になるほど、高血圧によって心臓や血管が障害を受けやすくなるため、きちんと血圧を下げる必要があるのです。血圧は薬によっても下げられます。加齢による高血圧では薬が効きにくい場合があります。そこで重要になってくるのが運動です。
 
 運動をすると、末梢の血管が広がって血流がよくなるため、全身の血液循環も改善され、血圧が低下します。そのほか、「心肺機能を高める」「筋力を維持する」といった効果もあります。ウォーキング、水中ウォーキングなどの有酸素運動が適しています。筋力トレーニングのように息を止めて行う無酸素運動は、血圧を大きく上げてしまうので不向きです。軽く息がはずむくらいの運動量を目安にします。誰かと一緒にウォーキングする場合、歩きながら会話できるくらいがちょうどよい強度だといえます。血圧を下げるには、1日40〜50分間の運動を、1週間に4〜5回、合計200分程度行うとよいでしょう。運動は小分けに行っても血圧を下げる効果があるので、午前中と夕方に20分間ずつ分けて歩いてもかまいません。歩くときは上半身の筋肉をあまり使わず、意識的に腕を大きく振って、全身の血流をよくしましょう。階段や坂道が多いと膝などに負担がかかってしまうので、できるだけ平たんなコースを選んでください。注意したいのは、体調が悪いときに無理に歩くと、かえって血圧を上昇させてしまうことがあります。また、雨が降っているときも、足元が滑って危険なので無理せず休みましょう。運動は快適に、楽しみながら行うことが、長続きさせる秘訣です!

高血圧の合併症として脳卒中、腎不全、心不全などがありますが、これらは動脈硬化と無縁ではありません。高血圧の恐ろしいところは、最初のうちはほとんど症状が出ないことです。気づかないうちに進行し、ある日 突然、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすことから、高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれています。まず、自分自身の血圧を知り「まだ若いから」「まだそれほど高くないから」とあなどらずに、生活を改善することが大切です。生活改善のポイントは食生活の改善と適度な運動です。毎日、肉を食べ 車に乗ってほとんど運動をせずに、お酒や甘いものを無制限にとり、たばこをすぱすぱと吸って、ストレスが多い・・・などという人は、高血圧と動脈硬化を手招きしているようなものです。
実は漢方薬で血圧をコントロールしている人は多いのです。自然派志向の方や現代薬が合わない方です。

 

味覚障害
最近、「食べものの味がわからない」「味がうすく感じる」「口の中が苦い」など味覚の異常を訴える人が増えているといわれます。味を感じるのは舌を中心に上あごやのどに分布する味蕾という器官です。味蕾は液体状のものしか感知しないので、よく噛んだ食べものが唾液と混ざることにより甘味、塩味、酸味、苦味、旨味が感知され、その情報が神経を通じて脳へ伝達されます。これが味覚です。実際には、食欲をそそる嗅覚やおいしそうに見える視覚、舌触り、歯応えなどの感触、かつての食の記憶なども関与し、トータルに味を感じるのだといいます。
味覚障害の原因として最も多いのは、味を感じる味蕾細胞の障害によるもので、主に薬の副作用や亜鉛の欠乏によっておこります。予防の秘訣は、バランスよくいろいろな物を食べる、よく噛んで味わって食べる、塩梅(塩加減)を大切にする、だしにこだわる(日本のだしの基本はかつおだしですが、かつおだしに含まれる香り成分には、脳を刺激して、神経伝達物質のセロトニンの分泌を促し、免疫力を上昇させる作用があるともいわれています)。
5つの"こ食"-
孤食(家族が不在の食卓で1人で食べる)個食(家族それぞれが自分の好きなものを食べる)固食(自分の好きなものしか食べない)小食(いつも食欲がなく食べる量が少ない。)粉食(パン中心の粉を使った主食を好んで食べる)-を避けることです。

肌を紫外線から守る
肌を突き刺す夏の日差し。「紫外線に当たるとしみが心配」と気にされている方も多いはず。しかし、実は紫外線そのものよりも、紫外線によって発生する活性酸素が問題になるのです。紫外線は、肌の内側で活性酸素を発生させます。活性酸素はメラニンを作る細胞を刺激し、そのメラニンが「しみ」の原因となります。また、皮膚で「ハリ」の元となっているコラーゲンやエラスチンをボロボロにして肌にシワを作るのも活性酸素。さて、この活性酸素を除去してくれる「抗酸化物質」。緑黄色野菜に多く含まれています。
漢方薬でしみが取れるのをご存知ですか。しみが出来た原因に迫れれば結構うすくなります。


機能性胃腸症

検査では異常が無いあなたも「機能性胃腸症」では?
胃がもたれる、胃が痛む、食欲不振、吐き気、胸焼け、膨満感…。日常生活の中で、胃の痛みや不調を感じることは誰にでもある。だが、病院で内視鏡(胃カメラ)検査をすると、結果は「異常なし」。この“症状はあるのに異常がみられない”という病気が「機能性胃腸症」だ。これまで、「気のせい」や「病気ではない」と言われたり、「慢性胃炎」と診断されたりすることが多かったこの病気。

胃もたれ、吐き気、胸やけ、胃痛といった不快な胃の症状は、18歳以上の日本人の4分の1が経験しているという。この中で、検査では胃は健康なのに、実際には胃の不快感が続く、内視鏡(胃カメラ)では見えない胃の病気が『機能性胃腸症』。いずれの症状も、内臓の知覚過敏の影響が大きい。

例えば、胃に少しでも圧力がかかると苦しくなり、さらに圧力をかけると苦しさが倍増するといった具合で、胃に伝えられた刺激が脳に早く伝わる患者さんもいる。比較的心配性の人の方が脳の反応が早いようだ。患者には、胃の不快な症状だけでなく、倦怠感や冷え、肩こりといった消化器以外の症状がある人も多い。睡眠障害などにも影響するといわれている。
ストレスとの関係も深い。胃のぜん動運動と胃酸の分泌をコントロールしているのが脳の迷走神経だが、ストレスを抱えているとこの迷走神経の働きが鈍る。その結果、ストレス症状の1つとしての胃の不快な症状や、迷走神経の異常により胃の運動や胃液成分のバランスが崩れたりする。さらに、胃もたれは、胃の運動障害も起こしやすくする。胃は、食べ物を消化液である胃酸を出してドロドロに溶かし、ぜん動運動によって十二指腸に送り出すが、運動障害を起こすと、食物をを腸に送り出すのが遅れ、胃にたまったように感じ、胃もたれやむかつきなどの症状が続く。
健康な人の場合、600キロカロリーの食事をとった2時間半後には、胃には20〜50%程度しか食べ物は残っていないが、「機能性胃腸症」による胃もたれがある場合、胃に50%以上の残存物がある人もいるという。機能性胃腸症には漢方薬がよく効きます。

 

不眠
 体を休めるための睡眠。ところが最近「眠れない」という不眠症の方が急増中です。
不眠症を訴える方は女性が21・5%。男性は17・3%です。80歳以上では、女性が40・3%、男性は30・5%にもなります。
眠れない方は、普段からのストレスや不安感から、眠れなくなるケースが多いようです。さらに眠れないことがさらなるストレスや不安となる悪循環となります。
夜眠れないと、昼間に急に眠気におそわれ、事故にもつながります。就業中の事故の内、眠気と関連する事故の割合は52・5%もあります。
漢方薬は、こんなストレスがたまって眠れないという時は、数種類の生薬を用いて、精神を安定させて眠ってもらいます。ハーブの効果を利用します。

便 秘
 美容や健康に深い関係がある"便秘"は男性より女性の方が悩んでいる。18歳以上の女性1000人(平均年齢35.6歳)を対象に、便通の実態と便秘の発症にどのような生活スタイルや食生活が影響を与えているかを調査した「便通リポート2005」を読んだ。その中で、現代女性の多忙なライフスタイルが便秘を引き起こす要因となっていることが示された。

自己診断による便秘の頻度は「慢性的な便秘」が12.4%、「週に数回は便秘になる」が11.6%、「月に数回は便秘になる」が23.6%、「年に数回便秘になる」が17.8%と程度の差はあるが女性のほぼ3人に2人(65.4%)が「便秘になることがある」と回答している。
「便秘になった原因」としては、食物繊維の不足、運動不足、不規則な生活、水分の不足、ストレスがトップ5。以下は環境の変化、腸内環境の悪化、多忙などが続いた。慢性的な便秘は子供を持つ有職既婚女性(働くママ)が19.0%と最も多く、独身1人暮らしの有職女性(OL)も15.5%と多目で、「ストレスを強く感じている」人が多く見られた。

一口に便秘と言っても、色々なパターンがあり、そのパターンによって薬を使い分けなければならない。僕の場合、ほとんど漢方薬でお世話できている。自然なお通じって気持ちいいらしいですよ。

ぜんそく
 厚生労働省調査によると、全国のぜんそくの患者さんの人数は、2002年現在で106万9000人と報告されています。しかしこの数字は、医療機関を受診した患者さんの数で、受診していない潜在的な患者さんを含めると、約400万人に上るものと考えられています。
●増加の背景
患者数増加の原因として、生活環境の変化が大きく関係していると考えられます。患者さんの多くにダニに対するアレルギーが認められていますが、ダニの数は年を追って増加しています。ダニが増えた原因として、住まいの環境がダニの繁殖に適したものに変化したことが考えられます。
●ぜんそくを悪化させる仕組み
発作が治まると、呼吸が楽になり、普通にすごすことができますが、発作は治まっているときでも、患者さんの気管支の粘膜には慢性的な炎症が起こっていることがわかりました。
●悪循環がぜんそくを悪化させる
慢性的な炎症が粘膜を過敏にし、以前より少ない刺激に反応して発作が起こりやすくなります。炎症がさらに悪化して気道はさらに過敏になり、わずかな刺激でも発作が起こりやすくなります。
●治療の基本的な考え方
発作のないときの「慢性的な炎症を抑える薬物療法」と発作のときの「症状を抑える薬物療法」との2本柱で行われます。適切な治療を続ければ、ぜんそくをコントロールでき、日常生活に支障を来たさなくなります。

ざっと、これが今の病院における喘息治療の概要です。慢性の炎症としてステロイドを吸入し、発作時は気管支拡張剤で気道を広げる。これで一生コントロール出来るのかもしれない。しかし、患者としてはやはり治りたいもの。以前は喘息の漢方薬をよく作って完治を目指していたけれど、ステロイドの吸入が出まわってからは、それを続けている間発作が起こらないので無理して完治なんか目指さないようになった。発作が一番の恐怖だからそれから逃げられればそれでいいと思うのだろう。敢えて漢方薬をお勧めしないが、できれば完治したいよね。でも、ステロイドを止めるのが又恐怖ですね。

中高年の「頑張りすぎ病」
中高年の「頑張りすぎ病」に要注意!
(サインは睡眠障害)
頑張り続けてきた40、50代に、ストレスが原因で抑うつ症状があらわれるもので、「うつ病」とはまったく別のもの。ただ放置していると、本格的な「うつ病」に至るケースも少なくない。休みはしっかりとったはずなのに、疲れがとれない、やる気がでない。眠れなくて、職場に行くのもおっくうになる…。

仕事の内容や環境、人間関係の変化に対応できないストレスが『適応障害』を招く。今の40、50代は、これまで無理しても頑張って働いてきた責任感の強い世代。体力が低下しているのに、今までどおり頑張ろうという気持ちや責任感が、『適応障害』の発症や悪化につながっていると考えられる。

仕事に不満がある、同僚や上司、部下とうまくいかない、差し迫った退職や、リストラで窓際に追いやられたなど、さまざまなストレスの原因がそこにある。ストレスになるのは、悪いことだけではない。昇進で責任が重くなり、それに対応しきれず『適応障害』になることもある。
症状は、身体的には、疲れやすい、食欲・性欲が落ちる、眠れない、頭が痛い、動悸、吐き気、腹痛、便秘など。メンタルでは、やる気がでない、イライラする、不安感が強くなる、などだ。

そんなときのわかりやすいサインが「睡眠障害」。3日間眠れない日が続いたら要注意。
ストレスは自分に自覚がなくても、心身に影響が出ている場合もある。それが端的に表れてくるのが睡眠だ。睡眠に問題が生じた場合、心身からのSOSと思っていい。
睡眠障害にも、心のトラブルにも、自然な薬草からできている漢方薬がよく効く。それはそうだ。人は緑の中で癒されるから。

口臭
  多くの人が、他人の口臭はもちろん自分の口臭も気になるという調査結果が出ました。通常の会話で口の臭いは、80センチ〜1メートル離れていても臭いを感じさせるのです。口臭には大きく分けて、口の中に問題があって臭う口腔内口臭と、体の中に問題があって臭う体内口臭の2つがあります。人間の口内に住みついている細菌の数は500億以上。細菌が口内のタンパク質を分解した結果として、臭気物質を出します。これは誰にでもある生理的口臭。しかし、1日の中でこのニオイの強さが変化します。生理的口臭は、起床時、緊張時、空腹時などにニオイが強くなってしまうのです。こんな時、相手に不快感を与える結果になるのです。

健康な人であれば、3度の食事をきちんと摂り、歯磨きを毎食後と寝る前に行い糖分のないもので水分補給するだけで十分効果がありますが、歯周病が原因で、口臭が強くなることがあるのです。口内は正常な場合でもタンパク質の分解が行われニオイがありますが、炎症で溝が出来大量の細菌が入り、タンパク質の分解量が増え口臭が増大、臭気の濃度も急激に高いものになります。最近増えているドライマウスとは、唾液の分泌が減ることで口内が常に乾燥してしまう現代病。過度のストレスや夜更かしなど不規則な生活によって、自律神経機能の低下を招き、唾液の分泌を抑制してしまうのです。この唾液の分泌が口臭にとって重要なポイントとなるのです。唾液は口臭のもとになる食べ物や、細胞のカスを洗い流す洗浄作用。もうひとつは口臭を作る雑菌を抑制する殺菌作用。この2つがあるのです。食道は、普段閉じていて食べ物が通過する時だけ広がります。ゲップ以外で胃の中のニオイが口臭として外に漏れることはありません。しかし、食事内容の偏りや過度の便秘などが口臭の原因となることも。通常栄養素が腸に運ばれてしばらくすると、多くのニオイ物質が発生します。これらはすべて良いものも悪いものも一緒に腸から吸収されて、肝臓へと送られます。そして肝臓で必要な栄養素は、選別され血液へと流れます。

一方、不必要なニオイ物質は、肝臓で分解された後、腸へと戻され便とともに排泄されます。こうした動きを腸肝循環と言います。しかし、腸肝循環は、肉や脂ものの食べ過ぎ、またはアルコールの飲み過ぎなどが続くと、腸であまりにも多くのニオイ物質が発生して、肝臓の分解能力が追いつかなくなり、ニオイ物質を無臭化出来なくなります。すると・・・無臭化されなかったものが血液に行きます。血液は体中をめぐりますから、肺にも行きます。肺から呼気に混ざり口臭として出ます。この臭い血液が体内口臭の原因というわけなのです。だから、口臭を改善するにも漢方薬で体調を整えておく必要があります。

貧血

貧血は多くの人が経験する身近な病気で、中でも最も多いのが「鉄欠乏性貧血」です。病気や妊娠などで鉄の喪失量や必要量が増えたり、摂取量が不十分だと鉄欠乏性貧血になります。日本人の女性の約1割は鉄欠乏性貧血で、症状はなくても鉄が欠乏している"貧血予備軍"の人も含めると、約4割にのぼるといわれます。

鉄欠乏性貧血になると、体内に酸素が行きわたらず、「よく眠っても疲れがとれない」「あくびがよく出る」「めまいがする」といった症状のほか、「頭痛」「肩こり」「むくみ」「動悸」「息切れ」などが現れます。もともと動脈硬化のある人が貧血になると、脳や心臓で酸素が不足して、「脳梗塞」や「心筋梗塞」を引き起こすこともあります。また、鉄は細胞内の酸素の原料にもなります。そのため鉄が不足すると、皮膚や粘膜の細胞に障害が起こり、塩辛いものが舌にしみる、口の端が切れやすくなる、爪がもろくなり中央部分が反り返るなどの症状が現れます。鉄欠乏性貧血の治療でもっとも大切なのは食事です。食物に含まれる鉄分には、レバーや赤身の肉、赤身の魚などに多く含まれる「ヘム鉄」と、小松菜や大豆製品、ひじきなどに多く含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は吸収がよく、非ヘム鉄は吸収されにくいという特徴があります。どちらかに偏らず、さまざまな食品から過不足なくとることが大切です。また、鉄分とともにビタミンCをとると吸収がよくなるので、ビタミンCの多い食品といっしょにとりましょう。
 
漢方薬で貧血を改善することも出来ます。病院の鉄剤は肝臓や胃に負担がかかるので飲めない人が多いです。そういった人には胃腸を強くするお手伝い。薬局だけで治そうとする人には、天然材料で出来た鉄剤と漢方薬をお渡しします。ほとんどの方に改善してもらえます。

 

過敏性腸症候群
 どこといって異常はないのに腹痛や、突然の下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群。ストレス社会を反映した現代病とも言われ、働き盛りの成人に多くみられるが、最近は小中学生のお子さんを持つお母さんからの相談が多い。症状がひどくなると日常生活に支障をきたすだけでなく、不登校や、ひきこもりの原因にもなりかねないから早めに対処してなるべくトラウマを作らないことが大切だ。
 過敏性腸症候群(IBS)は、精神的ストレスなどが引き金となって大腸の機能に障害が起こる病気。激しい下痢や便秘、腹部の痛みや不快感、膨満(ぼうまん)感が一定期間続くにもかかわらず、検査では腸に異常が見つからないのが特徴だ。“消化管の心身症”とも言われ、国内の患者は人口の10〜15%と推定されている。かの有名な花粉症と同じくらいと考えたらいい。
 腸は胃と同様にストレスの影響を受けやすい臓器だ。ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、腸の運動が活発になったり鈍くなったりすることで発症する。決して命にかかわる病気ではないが、生活の質が著しく低下するため苦しんでいる患者は多い。性格的にはまじめできちょうめんな人がなりやすい。
 症状に対する不安からいつでもトイレに駆け込めるよう各駅停車の電車にしか乗れない、友人と外出や食事ができない…など、仕事や社会生活にも支障を来すIBS。20代から40代に多くみられたが、最近は10代の子供の中にも増えている。家庭や学校でストレスを感じやすくなる小学校高学年から目立ち始めている。授業中に頻繁にトイレに行くなどの行為がいじめや不登校、ひきこもりの原因にもなりかねないので、早めに身体に優しい漢方薬で自然に治して上げるのがよい。

便秘
仕事が終わった8時過ぎに、ある方から電話がかかってきて、下剤を飲んだのにお通じがなくておなかがはって苦しいと相談があった。
腎臓が悪くて生薬を数種類飲んでいただいている方だ。下剤がほしいらしい。話を聞いていても今その方が困っていることと下剤がどうも関連付けられない。下剤を飲むとどのくらいで効果があるのかとか質問の真意がわからなかった。そこで、「ご主人今何に困っているの」と尋ねた。するとどうやら、肛門のところまでお昼頃から便が降りて来ているのに外に出てくれない症状で困っていることが理解できた。これは流暢に下剤なんか言っておられない。「浣腸をして出そうよ、きっと肛門の辺りで固くなったボールみたいなウンチが出そうで出れなくて困っているのだから」と分かり易く説明した。下剤にこだわっていたその方は納得してくれて浣腸をすることになった。老夫婦で足がないので、配達してあげた。奥さんがパジャマ姿で玄関に出てきた。

 翌朝電話がかかってきて、その夜は少し出てくれてあれから腹痛はなくなってよく眠れた。翌朝、ピンポン玉を大きくしたくらいの固い便が2つ出てスッキリしたと報告してくれた。250円でかたがついた。
 色々なタイプの便秘があり、色々な漢方薬でお世話しているが、石のように固まった便には浣腸と指しかない。

CIPD(ニューロパチ)
CIPD(ニューロパチ)のお世話を昨年11月からしている方が、今日又漢方薬を取りに来てくれた。今月、大学病院で検査をしたそうだが、知覚神経が当初10%くらいしかなかったのに、今月の検査では50%のレベルにまで持ちなおしているらしい。ご本人は勿論、奥さんもとても喜んでくれた。車で2時間くらいのところから来られるのでいつも奥さんが運転して来られるが、この調子だとご本人だけで来れるようになると思う。痛みも辛いけれど、ニューロパチ特有の神経の感覚異常も辛いらしい。当初は表情が暗くて、周りに気配りも出来ずに、お茶を出しても無視していた。今日はお茶を出したスタッフに丁寧に礼を言っていた。不健康はその人から礼儀さえ奪ってしまう。

 ニューロパチに対する処方を僕が編み出したのかと言えばそんなことはない。そんなたいそれたことは出来ない。ただ、その方の明らかな負の体質が分かったので、それを改善する処方を作っただけなのだ。だから仮にその方が他の病名で来られても、同じ漢方薬を作っていたかもしれない。素因(病気を作りやすいからだの個性)を治すのが漢方薬だから、その方の弱点を正すのだ。それがうまく行った時にこんな奇跡的なことが起こる。
残念ながら薬局にはニューロパチーの相談なんか滅多にない。だからこの処方の再現性は確認できない。僕の薬局を継ぐ人間がいたら、話の種として話してやろうと思う。薬局の限界でもあるし、気楽さでもある。一喜一憂していればよいのだから。

頭痛
人の心は無限の可能性と有限の危うさを兼ね備えている。こと病気に限っても、心が作っている病気は多い。
毎日遭遇する。身体の痛みを訴えている人の中にも、明らかに心で作った痛みがある。大きな病院で精密検査を繰り返し、有名なお医者さんにかかり、手を尽くしても原因さえつかめない方がいる。病名がつかずに、病院をはしごする。ほとほと困り果てて諦めるが、あきらめたからといって症状が進むわけではなく、まして回復もしない。

 頭痛を訴えてくる方の中に最近この手の人がいることに気がついた。ありとあらゆる頭痛薬が効かないのだ。信じられないだろうがそのような方が数人いる。僕の漢方薬で、ある方はよくなり、ある方は戦い半ば、ある方は、効果を感じてくれなくて申し訳ない状態だ。偏頭痛などはこの方たちからしたら原因がわかっているから安心だ。漢方薬でもかなりよくなってもらった人がいる。原因不明の頭痛に悩まされている人達が、一人でも頭痛がない日を送ってもらえたらなと、願わずにはおれない。だって、ありとあらゆる頭痛薬が効かないなんて、普通の暮らしが出来ている人には想像できないだろうから。

後鼻漏
最近増えてきた疾患に、後鼻漏と言うのがある。
僕らが子供の頃は、鼻垂れ小僧が沢山いた。子供で緑色の鼻を常時垂らしているのは珍しい光景ではなかった。体内にあってはならない緑膿菌の死骸だから体の外に出すのは自然の摂理だ。それが戦後食生活が豊になり西洋人的な食べ物が増えるにしたがって、鼻の病気まで西洋人みたいになってしまった。

本来体外に排出されるべき鼻が喉に下りてくるのだ。それこそ喉を鼻が伝わって降りてくるのがわかるのだ。これは想像以上に辛い。喉の粘膜は1日中刺激され、降りてきたものを出そうとして咳く。周りからは一日中咳払いをするから病気でも移されるのではないかと警戒されたり、うるさがれたりする。そもそも粘膜部分の病気は、目でも耳でも喉でも治りにくい。何年も病院に通っている人が周りにもいるだろう。局所を治しても粘膜が弱い人はなかなか完治しない。漢方薬は局所の治療ではないから、耳鼻科泣かせの後鼻漏でも、結構効果が期待出来る。

今まで何人のお世話をしたのか分からないが、効果を感じて下さらなかった2人だけが記憶にあるから、まずまずの成績だと思う。(治った人はすぐ忘れ、治されなかった人ばかりが後悔と共にいつまでも記憶にのこる)

ガン
 ガンの治療で半年入院している人は、抗がん剤の治療を終えて七夕の頃退院出来ることになった。高齢にもかかわらず65歳から70歳の体だといわれた。ガンは7cmから3cmに小さくなっているらしい。体調もよくて、体重も全く減らなかった。以前のように丸まるとしている。

 もう1人、薬を送っている人も、抗がん剤の点滴を終了した(3回)この人もまた元気で、髪の毛も人が気がつかないくらいにしか抜けていないらしい。体重も変化していない。 二人とも確信犯で、最初病院から「いらぬことはしないように!」と病院の治療以外の民間療法を禁止されていた。
ところが二人とも僕をよく知っているので、入院が決まると入院前から僕の漢方薬や天然薬を服用した。一人の方は毎週病室を訪ねて、僕が薬を管理している。病院の主治医にはもうばれたが、あまりにも元気な身体をしているので黙認されている。

 何度も繰り返すが、ガン患者さんの治療は100%病院の治療が占めなければならない。僕ら薬局のお手伝いは、その治療が身体に決定的なダメージを与えないように守ってあげることに尽きる。ガン治療自体が身体を傷めることを防げばいいのだ。その分野は、漢方薬や天然薬にしか出来ないと思う。ゆめゆめ喧伝されている○○食品などには騙されないように。

女性の場合、いぼ痔に続いて多いのが切れ痔です。その理由として、一般に、女性の切れ痔の原因となる「便秘」の人が多いことがあげられます。特に20〜40歳代の若い世代に多く見られます(社会保険中央総合病院調べ)。硬い便が通過して傷つく「切れ痔(裂肛)」は、肛門の出口に近い、痛みを感じやすい部分が切れたり、裂けたりして起こります。便秘になり、太くて硬い便を無理に押し出すときに、その刺激で肛門が傷つくことが、切れ痔が起こる最大の原因です。「いぼ痔(痔核)」は痛みがないのに対し、切れ痔の場合は排便時に強い痛みを伴うのが特徴です。
●長い期間便秘ぎみ…切れ痔は、便秘による硬い便が原因になることがほとんどです。日ごろから便秘を予防することが、切れ痔の予防にもつながります。
●排便時や排便後に痛みや出血がある…排便時に硬い便が通ることで鋭い痛みを感じます。排便後にジーンとしびれたような痛みが続くことがあるのは、肛門の周囲の筋肉(内側の括約筋)がけいれんを起こすためです。出血は、切れ痔の場合はそれほど多くないのが特徴で、トイレットペーパーに少し血がつく程度です。
●日ごろから便が細い…切れ痔が進行すると、傷口が慢性の炎症を起こします。さらに悪化すると、炎症が進んで皮膚が硬くなり、肛門が狭くなる「肛門狭窄」を起こすことがあります。すると、便が細くなり、ときには鉛筆のように細い便しか出なくなることもあります。
食物繊維を多くとる…食物繊維を十分にとると、腸の中で水分を吸収して便のかさが増えるとともに、軟らかくなって出やすくなります。また、腸の運動を促進する働きもあります。
腹筋を鍛える適度な運動…適度な運動は、便秘の解消に役立ちます。特に腹筋を鍛えることは、便を押し出す動きを活発にすることにつながります。
漢方薬は痔の種類によって色々な薬草を組み合わせて薬を作ります。



魚油
ポテトチップスやえびせんなど、一度手をつけたら、なくなるまで食べ続けてしまった経験はないでしょううか?これには、理由があります。脂っこい食べ物が好きな人は、実は高カロリーの油を多く含む食べ物を食べると、食べた直後に大量の脳内麻薬が分泌され「快感」を感じてしまうのです。だからやめられなくなり、とまらないのです。人間の歴史はもともと飢餓の時代が長く、飽食の時代は始まったばかり。油ものは、少ない量で高エネルギーを生み出すことができるために、いざというときのための重要なエネルギー源。しかし、この飽食の時代、多すぎるエネルギー源のために、かえって油は肥満や生活習慣病などの病気を招く一因となっています。では、快感を得ながら肥満や生活習慣病の改善ができないのでしょうか・・そんなわがままな要望に応えてくれるのが魚の油。同じ油でも余分な動植物油がカラダにつくことを防ぎ、カラダの中では脂肪が溜まらないようにしてくれる優れもの。油ものを食べた後は、魚!でも魚はどうも・・・という方には、シーアルパ100の利用でカラダをフォローしてください。





郵便船

郵便船とは名ばかりである。瀬戸内の漁港ならどこにでも見られる焼玉エンジンの小さな船に申し訳程度の屋根がついているだけだ。朝夕に若い郵便配達員が、黒い擦り切れたかばんを大切に抱えていることで、辛うじてこの船の名前の由来が分かる。
 木田はこの船に乗ると必ず舳先に立つ。早春の瀬戸内海は結構波が高くて、ましてそれが小さい船なら揺れも激しく右や左に大きく傾く。
舳先で波が砕かれ、水飛沫が高く舞い上がり木田の頬を打ち、冷たい風が耳を切る・・・・・・

 これは、僕が大学を出て失意のうちに牛窓に帰ってきた時、どうして生きていこうか迷っている時に書き始めた文章の始まりの部分だ。薬科大学を出たものの、薬剤師の仕事に興味を持てずに悶々と店頭に立っていた頃、時間を見つけては書き綴った。その後偶然漢方薬の魅力に取りつかれ30年間なんとか、それなりに充実した薬剤師生活を送れてきた。漢方に出会っていなければ、社会的に存在する理由もない薬局を続けていただろう。
 子育てが終わった今、次なる目標が必要なのだが、僕に出来ることは多くない。離島に郵便物を運ぶ配達員のように、病気の離島に住む皆さんに小さくても心温まる処方、養生、言葉を届けられたらと思い、このコーナーを作った。やる気、根気、元気が続く間書き綴ってみようと思っている。



 

口腔アレルギー
野菜や果物など原因となる食べ物が口腔粘膜に直接接触することで生じるアレルギー反応が、シラカバを中心とした花粉症の患者さんに見られます。原因となる食べ物を食べると、15分以内に唇の腫れ、舌やのどに痛み・かゆみ・不快感を感じ、時に、舌・のどの腫れを起こす病気です。基本的には、口の周りにアレルギー症状が出るのですが、時に、その症状が、目や鼻に広がったり、吐き気、腹痛や下痢などの消化器症状が出ることもあります。また、重症の場合は、喘息発作やショックなどのアナフィラキシーを起こすことがあります。
口腔アレルギー症候群の原因としては、食材、特に果物や野菜と言われています。花粉症の人が口腔アレルギー症候群を引き起こしやすいのは、花粉と果物や野菜に含まれるアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)が共通しているためです。特に、果物でアレルギーが出る場合は、ゴムの成分であるラテックスに対するアレルギーをよく合併します。
対策としては、まず、原因と考えられる食べ物の摂取を避けることが最も重要です。症状が重い場合は救急的に医療機関で受診し、喘息発作やショックに対する対策が必要になることがあります。薬物治療としては、抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬や、ステロイド薬の内服を一定期間行う場合があります。